カテゴリー:診療日誌
病院での暖房はエアコンでまかなっているのですが、寒い時期には特に朝の補助暖房として、石油ファンヒーターを使っています。 それが、昨日壊れてしまいました・・・ もう、この時期だから新しいのを買うのもなぁ。 今修理に出しても、帰ってくる頃には暖かいだろうし。 でも、今週に入って毎朝寒いし・・・。
普段の診察の中で、犬や猫の問題行動についての相談は少なくありません。 相談に対してアドバイスをしようとする時に、どのような言い方をしたら良いものかいつも迷います。 と言うのも、答えそのものはとても簡単な事だったりするのですが、問題の原因がワンちゃん達よりも、むしろ飼い主さん側にあることが多いからです。 更に、そう言う飼い主さんは、犬や猫達にとても愛情を持っていますし、本人は良かれと思ってしている事が多いからです。 そう言う飼い主さんは、ご自身が意識している以上に、精神的に犬や猫に依存もしています。 自分達から見れば、明らかに「問題行動」なんですけど、飼い主さんには「微笑ましいエピソード」だったりする事もあります。 そのような飼い主さんの考え方を真っ向から否定しても、上手く行かないと思うんです。
考えてみると、自分もそうですけど、ペットに話しかける時には8割のヒトが「動物として」でなく「人間として」話しかけているのだそうです。 更に、お母さんが赤ちゃんに話しかける時の様な口調になる事が多いらしいです。 ペットの擬人化ですね。
病院に来られる飼い主さん達がよくこう言います。 「自分の大切な家族」「ウチの中で、自分の事を一番分かってくれるのはこの子なんです。」「子供達は憎まれ口ばかりで全然言う事をきかないけど、この子はいつも可愛い。」「私の言う事は、全て理解しています。」「この子は自分を犬だと思っていないんです。」・・・
犬や猫に自分の子供のような愛情を注ぐ事が悪いはずもありません。 ただ、飼い主さんは、犬や猫達を「ヒト」と見てしまっているので、自分と同じように理解する、自分と同じように感じる、自分と同じように考える、と思い込んでしまいます。 そこが、根本的な間違いの始まりなのかな?と自分は感じています。
飼い主さん達から受ける質問で困ってしまうもののひとつに「大丈夫ですか?」って言うのがあります。
勿論、獣医師である自分を気遣っての「大丈夫ですか?」ではありません。
中には、診察台に乗せた途端「先生、大丈夫ですよね? このまま死んじゃうなんて事ありませんよね?」と聞いてこられる方もいて、答えに困ってしまう事もあります。 それを判断する為に、これから診察するわけですからね(笑)。
診察をして、必要な検査をして、診断を下して治療を始める。 実際には、笑顔で「大丈夫ですよ。」って言えない深刻なケースもあります。 確定診断が付かない事もあります。 ちょっとした傷が元で命を落とす事もあれば、「出来るだけの事はしますが、覚悟はしておいて下さい。」とお話したケースでも元気に回復事もあります。
飼い主さんは、自分が「大丈夫ですよ。」って言うのを期待して来院されているんですよね、きっと。 でも、「大丈夫。」って答えるのには、物凄い責任を伴うんですよ。
クロちゃんは、猫免疫不全ウイルス抗体陽性。 そして、白血病を発症して当院に来てから2ヶ月あまり、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら少しずつ衰弱して来ていました。
クロちゃんのお家では、おじい様の容態が思わしくなく、飼い主のご夫婦も夜は交代で付き添っていられる状態。 そんな事情もあって、クロちゃんの状態が悪くなってきたここ最近は、「お家では充分世話をしてあげられないから。」と病院でお預かりする事も増えてきていました。 この週末もお預かりしていたのですが、今日、午後の診察が始まる少し前に眠るように息を引取りました。
飼い主のご夫婦は、ご自身で看取ってあげられなかった事をとても悔やんでいらっしゃるようでした。 おじい様の事もあってか、お二人ともとても憔悴しておられました。
そう言えば、去年の今頃は父の事で自分も同じような状態だったなぁ。 って思い出しました。
久し振りに雪が積もりました。 10cm程でしたけど、昼過ぎには駐車場の雪は融けて無くなりました。
昨日診察中に、ある飼い主さんと「安楽死」について話をしました。 今「安楽死」を希望しているわけではなくて、その考え方についてです。 老衰で弱って行く愛犬を見つめながら、色々と考えるところがあるのだと思います。 自分も、たまたま先週Dr.フォーグルの本を読んで、「ペットロス」「安楽死」などについて考えていたところでした。
以前にも書いた事がありますが、自分は最低でも以下の4つの条件を満たしているケースについては「安楽死」も選択肢に加える事にしています。
①患者(畜)に耐え難い肉体的苦痛がある。
②回復の見込みがない。あるいは、死が不可避で死期が迫っている。
③苦痛を除去、緩和する方法が他にない。
④ご家族の一致した意思として、生命の短縮を承諾している。
Dr.フォーグルも同じような条件を幾つか挙げていましたが、更に「飼い主が、その世話に時間、手間をかけることができるかどうか。」、「治療費の負担に耐えられるかどうか。」と言う条件を加えていました。
ただ、この問題は、どんな本を読んでも正解はみつからないだろうなって思います。 地域、国、文化、宗教にも影響されると思いますし、最後は、其々の価値観の問題ですから。
時々、歯が折れてしまったワンちゃんが来院します。 もっとも、これに気が付いて来院されるのは、普段から歯の管理に気を遣っている方が多くて、折れている事に気が付いていない飼い主さんの方が多いかもしれません。
犬歯と上の第4前臼歯が折れているケースが多いです。 犬歯はフェンスやオリの鉄柱などに噛み付いたり、ぶつけたりする事が原因になる事も多いようです。 第4前臼歯は、石、骨、牛のヒズメなどをおやつ代わりに噛んでいて折れてしまう事が多いようです。 ヒトの臼歯も表面が平らで、文字通り臼の様に食べ物を細かく磨り潰す働きをしています。 でも、犬や猫の臼歯は先が尖っていて、磨り潰すと言うより肉を切り裂いたり、口で咥えて物を運ぶのに都合よく出来ています。 ヒトで言えば、「歯全部が切歯(前歯)」と言うイメージでしょうか。 ヒトでも、例えば梅干の種を噛む時は、臼歯(奥歯)で噛みますよね。 もし、切歯(前歯)で噛もうとしたら・・・と言うわけです。
第4前臼歯が折れる時は、尖った歯の先に無理な力が掛かるので、まるで表層雪崩のように縦割れしてしまうことが多いです。 エナメル質のみの破損であれば、そのままでも良いのですが、歯冠が壊れて歯髄が出てしまうと、痛みとともに歯根膿瘍を起こす可能性があるので、修復するか抜歯をする事になります。 歯の修復保存治療は、専門的な設備、技術、知識が必要になるので、当院では厳しいことも多いです。
ちなみに、自分の前歯は1本差し歯なんですけど。 「昔、ボクシングやっててさぁ。」なんてかっこいいものじゃなくて、その昔、食欲に任せて無理やり破り開けようとしたパッケージによって、脆くも折れてしまったものでして・・・この件に関してはあまり偉そうなことは言えないんです。
15歳のゴールデンレトリーバー、ジェスちゃんが亡くなったと飼い主様からご連絡を頂きました。
ここ20年程のドッグフード、動物医療の発達に伴って、犬猫の平均寿命も飛躍的に延びてきています。 でも、10歳を越える事の出来ないコも多いゴールデンで、15歳は本当に立派だと思います。
具合の悪い高齢の動物を診せて頂くと、既に僧帽弁閉鎖不全とか、白内障とか、腫瘍とか、持病を幾つも抱えている事が少なくありません。 診察時には、頭のどこかにある「高齢だから」「老衰だから」仕方がないと言う考えに甘えてしまいそうになる事もあります。 実際、飼い主さん自身からそのように言われる事もありますし・・・。
先日読んだ、海堂尊氏著「ジェネラル・ルージュの凱旋」のなかに、ドキッとする文章がありました。 東城大学医学部付属病院・救命救急センター部長、ジェネラル・ルージュこと速水晃一の台詞に、「もしも医者が患者の死に際し何もしないなら、医者と坊主は変わらない。」と。 本文中にも「不謹慎な発言。」とあるように、表現としては適当でないかもしれないですが、言わんとする所は良くわかります。
この小説の舞台はヒトの救命救急医療の現場ですし、シチュエーションも全く違います。 動物の医療の場合は、飼い主さんの気持ち次第と言う側面もありますから。
自分が常に心掛けていなければならないのは、年齢や状態に関係なく、目の前の動物が出来るだけ苦痛を感じないで、少しでも長く飼い主さんの傍に居られるように、もっともっと頭を使う事ですね。
唐突ですが、動物病院と言うのは、結構微妙な存在だなって思います。
例えば何かのアンケートや書類で職業欄の記入が必要な時、具体的に「獣医師」と書けるときはそのまま書けば良いのですが、カテゴリー別に分類してあるときはちょっと筆が止まります。 「医療・福祉」ではないし、「農業・畜産業」「サービス業」でもない。 其々の要素は持っていても、そのカテゴリーには分類されないので、結局、「自営業」か「その他」に○を付ける事がおおくなります。
実際、「医療・福祉」が厚生労働省なのに対して、「獣医療」は農林水産省の管轄だったり。 税制では、動物病院は「サービス業」に分類されています。
大動物が入ると、またちょっと複雑になりますけど、小動物を診る動物病院は「医療」と「サービス業」の間にある職種なんだろうと思います。 「医療」と「サービス」のどちらよりで仕事をするのかは、各々の病院、獣医師の考え方によって差が出てくる所ですけど。
個人的には、「サービス業」だと考える位で良いのかな?って思います。 自分達はどうしても、技術や知識ばかりに意識が向きがちなので、その位の方がバランスが取れるような気がします。 でも、そうは言っても、医療に携わっているわけなので、こだわらなければいけない部分は当然あると思います。 例えば、表現や、言い回しなどもそうなのですが。 「営業時間」ではなくて、「診察時間」或いは「診療時間」。 「お客さん」ではなくて、「飼い主さん」「患者さん」。 お薬や療法食は「売る」「販売する」ではなくて、「処方する」。 ・・・とか、やっぱり意識して使い分けないといけません。
なにを言いたかったのか、よく分からなくなってしまいましたけど・・・さっきまで、そんな事を考えていました。
例年、寒暖の差が大きい、徐々に暑くなる時期、徐々に寒くなるこの時期には、体調を崩す高齢犬、猫が多いように感じます。 実際、ここの所、そういったワンちゃん、ネコちゃんの来院がとても多くなっています。
一昨日、チャーちゃんと初診の文鳥が。 昨日はシロちゃんが。 今日はマルちゃんが亡くなりました。 「高齢だから」とか、「病気が病気だから」とか、「こう言う時って、不思議と続くんだよ。」って事では割り切れなくて・・・、さすがに落ち込んでいます。
診察で、キャリーケースから出す時には不機嫌に脚を踏み鳴らして威嚇していたチャーちゃん。 アスカの散歩でもよく一緒になって、病院に来た時は、いつも甘えるように鼻を鳴らして、しゃがんで迎える自分の膝の上に顔を埋めてくるマルちゃん。 今日、病院に来た時もフラフラしながら、苦しそうに、それでもいつものように・・・・ 寂しくなるなぁ。
動物病院で、検査や治療などの処置を安全かつ確実に、更にスムーズに進めるために「保定(ほてい)」は必要不可欠な技術です。 動物達は、どうしてそんな痛い事をしなきゃいけないのかなんて、わからないですもんね。 「診療においては、保定7割」などと、学生の頃から先生や先輩方から繰り返し教えられました。 動物看護士さんとすれば、1番の腕の見せ所です。
自分が小動物臨床の研修をさせて頂いた「王禅寺ペットクリニック」は、動物看護士さん達の「保定」に対する意識が非常に高い病院でした。 当時、動物看護士のリーダーだった村尾さんは、「保定」について沢山の記事、や本を執筆していて、現在は大学で「保定学」を教えています。 「保定」を学問にまで高めた村尾さんに、直接「保定理論」を教えてもらえた事は、とてもラッキーだったと思っています。
ヒトの医療で、「保定」と言う概念は殆ど無いんじゃないかと思います。 看護師さんに「はい、注射をしますよー。」って言われれば、普通、みんな痛いのは分かっていても、素直に腕を出して我慢するでしょうからね。 多分、「保定」と言う概念があるとすれば、「小児科」でしょう。 ”処置を受ける本人が、その処置の意味を理解できない”と言うことでは同じですもんね。 自分も、子供が小さい時、注射を打つということで、「向かい合って抱っこして、左手で体、右手で頭を抱きかかえて下さい。」と言われて、頑張った事あります。 「お父さん!、もう少ししっかりお願いしますね。」って言われちゃいました・・・。 その時は、「看護師さん厳しいなぁ。」って思いましたけど、もし暴れたりしたら、怪我をしたり、何度も痛い思いをしないとならないのは子供本人ですもんね。
ここ数日、膀胱炎、尿石症、尿道閉塞等、「下部尿路疾患」で来院する猫ちゃん達がとても多くなっています。 寒くなり、運動量が減り、水を飲む量が減ってくるこの時期は、この病気の多い季節です。 しかも、今週に入ってからは、尿道閉塞を起こした重症例が多く、病院もバタバタしています。
・オシッコの色がピンクや赤。
・トイレに行く事が多く、トイレにいる時間が長い。
・普段しないところでオシッコをする。
・落ち着きがなく、元気、食欲が無い。
・オシッコに塩の結晶のようなキラキラしたものが混ざる。
などの変化が見られる時は、「下部尿路疾患」の可能性があります。 出来るだけ早く病院に行きましょう。 尿道閉塞~尿毒症、腎不全などになると、命を落とすこともありますし、治療費もかなり掛かります。 予防、そして早期発見、早期治療が大切です。
昨日は、病院スタッフの健康診断に行ってきました。 たまには、自分のケアもしておかないと。
昨日は、予定外の手術が2件ありました。 2件とも時間の掛かる手術でしたが、残念ながら、そのうち1件は助けてあげる事ができませんでした。 横隔膜ヘルニアで手術したこのネコちゃんは、今週に入ってから容態が悪化して来院しました。 肝臓がひっくり返った状態で胸腔に入り込んでいて、肝臓自体も血行不良のせいでしょう、とても脆くなっていました。 手術は何とか終了したのですが、そのまま麻酔から醒める事はありませんでした・・・。
このネコちゃんは、3ヶ月ほど前に保護されたのですが、その時点で交通事故か何かで既に横隔膜が破れていたのかもしれません。 早い時期に見つけることが出来て、手術が出来ていたら助かっていたのかも・・・と思うと悔いが残ります。
午前の診察を終え、予定していた手術を済ませ、腎不全のコに点滴をしていると、交通事故で入院していたsoxちゃんの容態が急変。 蘇生処置にも反応することなく、そのまま息を引取ってしまいました。 大腿骨の骨折以上に、泌尿器を中心とした腹部臓器の損傷が大きかったようです。
soxちゃんの飼い主さんが、すぐには来られないと言う事だったので、大急ぎで15:00からの狂犬病注射の打ち合わせ会議に向かいました。
会議に引き続いて、大星斎場で行われた、合同の動物慰霊会(祭)に参列して、大勢の飼い主さん達と一緒に、旅立った命に手を合わせてきました。
その後は、soxちゃんの飼い主さんとの約束もあり、子宮蓄膿症の手術もあり、また急いで病院に戻りました。 年齢も分からない程の高齢犬、コロちゃんの子宮蓄膿症の手術は、なんとか終わりました。 今晩は、このまま付き添います。
先週土曜日、診察終了後に横隔膜ヘルニアの手術をした「すみれちゃん」は無事に退院して行きました。 「すみれちゃん」はおよそ4ヶ月令の仔猫。 病院に連れて来られた時の飼い主さんは、「時々、家に入れたりしていたけれど、基本的にはノラちゃん」と言うスタンスでした。 まだ4週間位は、安静にしておかなければならない事もあって、今回の手術を機会に、キチンとした飼い猫にするとの事でした。 そうして頂けると、こちらとしても安心です。
病院に猫を連れて来て、「餌はあげているけれど、飼っている訳ではない。」と言われる方は意外と沢山います。 残念ながら、こう言う感覚が、不幸な仔猫を増やす土壌になっていると感じます。
ご本人は「動物が好きだから。」と、それだけなのだと思いますが、知らないうちに近隣の方に迷惑を掛けている事もあって、両者から相談を受ける事があります。 中には、罠を仕掛けたり、毒物を撒いたり、直接的な手段に出てしまう方もいて・・・。 こんな仕事をしている自分だって、種を蒔いたばかりの畑を引っ掻き回されて、トイレにされたりすれば、さすがに頭に来ますから、気持ちが分からないわけではありません。 でも、猫達はただ生きているだけ、虐待は道を外れています。 自分も可哀相な猫達を沢山見てきました。 やっぱり、ヒトの責任は重いです。
すっかり、話が脱線してしまいましたけど、「すみれちゃん」(と、すみれちゃんと一緒にいる兄弟猫)が、健康に安心して暮らして行ければ良いなと思います。
1歳になるオス猫、「寅次郎くん」の里親さん募集は継続中です。
病院内の清掃、洗濯、消毒に電解水を使い始めました。 写真の機械で「強アルカリ性電解水」と「強酸性水」を生成します。
「強アルカリ性電解水」は、タンパク質や油脂などの有機物を溶解・乳化し、洗浄効果の高い水です。
「強酸性水」は、これまで使ってきた次亜塩素酸ナトリウムと比較して、非常に殺菌力が強く、殺菌に必要な時間もかなり短く、更に残留性が低いので、安全性の高い消毒薬として有効です。
具体的な使い方については、今後実際に使いながらマニュアル化していかなければなりませんけど、電解水を利用して、これまで以上の衛生管理を心掛けて行きたいと思います。
地方事務所の林務課から、野鳥の診察依頼。 準絶滅危惧種である「チュウサギ」。 連れて来られたのは、いつもお世話になっている野生傷病鳥獣救護ボランティアの小柳さん。 外傷は認めなかったのですが、レントゲンで左翼、トウ骨の骨折が確認できました。 幸い、骨折による骨の変位が殆どなく、尺骨も健在でしたので、このまま固まってくれれば、野生に戻って行けそうです。 テーピングで固定をしました(白い包帯を使ったので写真だとよく分かりませんが)。
小柳さんが自分で、ドジョウやイナゴなどを獲って来て与えているそうです。 楽しそうですけど、チュウサギが食べるだけ用意しなければならないのは大変そうですね。 最近、イナゴもいないですから。
引き続き、里親さん募集中
実習生さんが、入れ替わり立ち代り職場体験、病院研修をしています。 中には、飼い主さんとして病院に来た経験のある実習生さんもいるのですが、恐らくギャップを感じているんだろうと思います。 自分に対しても、飼い主さんとしては「優しい先生」と思っていたのに、実習生さんとしては「怖い先生」と感じたかもしれません。 (まぁ、元々優しいタイプの人間ではないんですけども・・・。)
診察している時は、そのコを中心に考えているんですけど、合間合間には、さっきの患者さんの事、この後の患者さんの事、手術の事、入院患者さんの事、たまに家族の事など、いっぺんに色々な事を考えているので、入り込んでしまうと言うか、集中してしまうので、多分、傍目には「イライラしてる」って見えるんじゃないかと思います。
診察時は、1対1で向き合ってますから、出来るだけスムーズに進めたいって思います。 飼い主さんから色々話が聞ければ、自分では話す事ができない動物達の情報を沢山集められますから、正確な診断にも繋がります。
東京で開業している自分の友人は、バリバリの関西人で、大学時代も、今でもプライベートはバリバリ関西弁なんですけど、診察の時は標準語。 「営業用」って言ってしまうといやらしいですけども、きっと、その方がスムーズなコミュニケーションが取れるんだと思います。
16日に保護された仔猫は、本格的に里親を募集するそうです。 興味のある方、お心当たりのある方がおりましたら、ご連絡お願いします。
実は、昨日、別の仔猫が保護されて来ました。 交通事故か人為的なものか分かりませんけど、足腰の立たない仔猫は、誰かに放り投げられたのか、フェンスの向こう側でグッタリしていたそうです。 雨に濡れ血圧も、体温も下がり、血尿、血便、鼻出血・・・ 正直「これは、助からないかも。」と思いましたけど、一夜明けて少しずつ持ち直して来ています。 保護された方ともお話しましたけど、もし助かったとしても、このまま立つ事も出来ず、オシッコ、ウンチも自力で出来ないとしたら、助けてあげた事がこの仔猫にとって本当によかったのかどうか・・・
どうして、こんな事が毎年繰り返されるのでしょう。 ここ数年で処分されている猫達は、犬の数を上回っているそうです。 全国では、1年に30万頭もの猫達が殺処分されています。 心ある方に保護されて、幸せに暮らしていける仔猫たちの数倍、数十倍、数百倍の仔猫がこうやって命を失っていることを考えると、ヒトの責任の大きさを痛感します。 ヒトの意識が変わるだけで、可哀相な仔猫はかなり減らせるはず。
この仔猫も、必死で生きています。
新患の方から往診依頼の電話。 でも、診察と言うより、安楽死の依頼でした。 申し訳ありませんでしたが、今回はお断りさせて頂きました。
安楽死の依頼は、特に珍しい事ではありません。 実際に、安楽死をお引き受けする事もあります。 以前、ここにも書いたのですが、以下の4つを基準として考えています。
①患者(畜)に耐え難い肉体的苦痛がある。
②回復の見込みがない。あるいは、死が不可避で死期が迫っている。
③苦痛を除去、緩和する方法が他にない。
④ご家族の一致した意思として、生命の短縮を承諾している。
勿論、飼い主さんにも事情はあるのでしょうけれど、今回のように、診察すらしたことが無く、全く様子、経過の分からない状態で、安楽死だけする為に往診すると言うのは・・・
テトちゃんが尿道閉塞で入院したのは、今回が2回目。 僅か2ヶ月あまりで再発してしまったのは、前回、途中で治療を止めてしまった事も一つの要因でした。 「自宅が火事になってしまってから、猫達の面倒を充分に看てあげられなくて。」と飼い主さん。 そうでしたか、それは大変でしたね。
一昨日、手術直前にテトちゃんの飼い主さんからお電話。 テトちゃんの様子を確認する為の電話かと思い、取り急ぎ説明をすると、「実は火事の時からいなくなってしまった猫が、今帰ってきたのですが、腰が立たず身体を引き摺っていて・・・」と飼い主さん。 直ぐに連れて来て頂いたのですが、どうやら交通事故のようで、脊椎の亜脱臼がありました。 元通り歩けるかどうかは、経過を見てみないと分かりませんけど、命に別状はないようです。
偶然ですが、隣同士の入院ケージに入った、同じ家の2匹。 仲良しなのかと思いきや、飼い主さんによると、家にいる時は仲が悪いんだそうです。
先週、雨の中、父の49日、納骨を終えてから、ずっと体調が悪かったのですが、特にここ数日はすっかりハナタレ小僧状態になってしまいました。 特に今週は、結局1日も家で寝る事ができなかった事もあって、なかなか良くならず・・・ 特に咳が出るわけではなく、喉の痛みもたいしたことがないのに、今朝から、全然声が出なくなってしまいました。 今日は休診にしようかとも思ったのですが、土曜日は平日に時間の取れない方が大勢おいでになるので、やれる所まで行ってみようかと・・・
今日、来診された方は、自分のマスクに擦れた声で、かなり聴き取り難かったと思います。 申し訳ありませんでした。 帰り際には、「お大事にしてください。」と、逆に御心配頂いちゃって。
明日は日曜日なので、喋らなくて済みますから、月曜日からは大丈夫だと思います。
昨日、午後の診察を終わった時点で、入院室にはチャラちゃんとハッピーちゃん。 奇しくも、二人とも13歳。 二人に共通しているのは、このまま処置をしなければ、恐らくはあと数日から数週間の命だと言う事。 チャラちゃんは、1週間以上苦しい思いをしてきた、子宮蓄膿症。 ハッピーちゃんは末期の線維肉腫。
チャラちゃんは、この後卵巣、子宮の摘出手術。 ハッピーちゃんは安楽死。 隣同士のケージで苦しそうにしている二人を見て、とても複雑な気分でした。
高齢である事、今の状態、そして手術費用を考えて、悩んだ末に手術を決めたチャラちゃんの飼い主さん。 口腔、鼻腔に腫瘍が拡がり、食べる事もできず、呼吸さえやっとの状態。 悩んで悩んで、悩んだ末に安楽死を決めたハッピーちゃんの飼い主さん。 誰も責める事は出来ません。
ハッピーちゃんは、とても安らかな顔で、飼い主さんに抱かれて帰って行きました。
チャラちゃんは、少しずつ回復しています。
先日、処置の際にちょこっとですが動物看護士の手を噛んでしまったコがいました。 その飼い主さんが、わざわざお見舞いをもって挨拶に来て下さいました。 お気持ちはありがたいですけど、そこまで気を遣って頂かなくてもいいんですよ。
この仕事は、噛まれたり、引掻かれたりはある程度仕方がないと思っています。 言葉が通じない患者さん達を相手にしているのですから。 ただ、自分達もプロですし、怪我は自慢にはなりません。
当の動物看護士も、恥ずかしさと共に、自分の未熟さを感じているだろうと思います。 動物達に安全で確実な処置をし、尚且つ、自分達獣医師や、看護士自身も怪我をしない。 更に、飼い主さんに心配をかけない。 ・・・・とても大変な仕事です。
昨年、しっかりフィラリア予防をしていたはずのワンちゃん。 検査キットで「陽性」!!! 「投薬期間外の感染?」「予防薬を吐いてしまっていたり、飲めてない月があった?」「検査キットの問題?」・・・可能性は色々考えられるのですが。 今日、検査センターに出したフィラリア抗原検査の結果が戻って来て、結果は「陰性」。 ほっとしました。 検査キットのメーカーさんも慌てて来てくれて、今回の結果についてキチンと説明をして頂きました。 とにかく、良かったです。
「夜食にして下さい。」と、ラスクを頂きました。 ちょうど、プロレスラーの小島さんのブログにも紹介されていました。 http://ameblo.jp/f4koji/page-2.html#main
これ、お世辞抜きに美味しいです。
・・・・おかげで、今夜も病院泊まりになっちゃいました。 今度は、「おやつにして下さい。」でお願いします。 って、冗談ですから(笑)、紅茶と共に、美味しく頂きます。
寒暖の差が大きいせいでしょうか、あまり生育は良くありませんが、父の植えたチューリップの蕾が開き始めました。
既に、上田市の狂犬病集合注射が始まっています。 年々、集合注射で接種される方は減少していますが、なかなか病院までお連れになれない飼い主さんにとっては、集合注射は必要だろうと思います。
集合注射に伴い、自分の当番日は病院が休診となります。 以下の8日間は、午前中休診となりますのでご協力お願い致します。
4月10日(金)、13日(月)~18日(土)、22日(水)
なお、この期間中、病院にはスタッフが居りますので、急患等につきましては、電話でご相談下さい。 午後の診察は、通常通りです。
以前にも書いた事がありますが、現時点で動物看護師(VTもしくはAHT)は、ヒトの看護師のように国家資格として認められていません。 現在、関係者の方々が、国家資格を目指して頑張っているところですが、なかなか難しいようです。
統一された資格がないので、現在は幾つかの団体が各々、其々の基準で動物看護師を認定しています。 中には、通信講座で取れる資格もあるようですが・・・。
今、将来動物看護師を目指している学生さんが研修に来ています。 彼女に「どこの資格を取っておいたら良いですか?」と聞かれたのですが、正直、答えに困ってしまいました。 獣医師によって其々だと思うのですが、自分は今まで「何処が認定している動物看護師資格か」と言う事を選考の基準にしたことはないですし、気にした事もありませんでした。
そんな事もあって、動物看護師の資格について、改めて確認してみました。 専門学校を卒業すれば、殆ど付いてくるような資格から、毎年、特定の講習を受け続けていかなければ更新出来ないもの、自分の努力でステップアップして行くシステムのもの、など本当に様々。 病院によっては、「最低、○○の資格は持っていないと・・・」と言うところもあるかもしれません。 でも、まぁ、結局は本人が勉強するか、努力するかだと思うので、ウチが新人動物看護師さんに求める第一条件は「動物の取り扱いが上手」「飼い主さんと上手にコミュニケーションが取れる」ですかねぇ。
病院のカウンターにおいている、「日本聴導犬協会」の募金箱。 いつも御協力ありがとうございます。
今回の募金分のお礼状が届きました。
http://www.hearingdog.or.jp
ワンちゃんによって、適性はあるでしょうし、誰でも聴導犬になれるわけではないのでしょうけど、聴導犬の殆どはMIXで、捨てられたり、虐待を受けていたコ達なのだそうです。 聴導犬を必要としている方にとっても、聴導犬になるワンちゃん達にとっても、幸せな事業ですよね。
ピケちゃんが、来院しました。 傷も癒え、特にこれと言った後遺症も無いようです。 「もう元気で、元気で、家中を飛び回ってます。」と飼い主さん。 いや、「次の来院までは、狭いケージ、サークル内でおとなしく生活させてください。」ってお願いしたはずなんですけど・・・・・・
フェリウェイ「FELIWAY」をご存知ですか? 有効成分は、猫のフェイシャルフェロモン類縁化合物で、尿マーキングの抑制や、環境ストレスの緩和を目的に使用します。 コンセントに差して、部屋全体に拡散させる”リキッド”タイプと、特定の場所に吹きかけて使う”スプレー”タイプがあります。
が、現在輸入が止まって、国内での入手が困難な状況になっています。 特に、リキッドは全く手に入りません。 当院の飼い主さんで、フェリウェイを使われている方はそれ程多いわけではありません。 ただ、使っている方の中には「フェリウェイを使っている時はおとなしくしているのに、なくなってしまうと凶暴になって・・・」と切実なケースもあって、今、一生懸命探している状態です。
「輸入が再開されても、価格がかなり上がってしまうかも。」とも言われています。 当面は、残り僅かなスプレーで繋いで頂きながら、輸入再開を待つしかないようです。
昨日、「どんなに慣れている犬でも、放すと危ない。」なんて、偉そうな事を書きました。 交通事故ではありませんけど、自分にもヒヤッと経験があります。
当時、自分は北海道で牧場の中に住んでいました。 家は、放牧地に囲まれて、放牧地には、馬が走り回っている環境でした。 仕事が終わって家に戻る時には、馬たちは厩舎に入っているので、放牧地はアスカにとって良い遊び場になりました。 アスカが来て間もない頃、臆病なアスカは自分の周りを離れず、くっ付いて歩いていたので、安心してつい目を離してしまいました。 気が付くと、モコモコのぬいぐるみみたいなアスカが、放牧地を奥に向かってトコトコと歩いて行きます。 慌てて追いかけましたけど、時々振り返りはするものの、奥へ奥へ止まる気配はありません。 こちらが走ると、アスカも喜んで走ってしまう。 まだ、自分の名前がアスカだとも理解できていない時期でした。
その時、自分が心配していたのは、アスカがそのまま「隣の牧場に入ってしまったらどうしよう。」って事でした。 放牧地に入り込んだ犬が、放牧地の馬を追廻し、怪我をさせてしまう、そんな事件は、北海道の日高では珍しくない事でしたから。 もし、ウチの犬のせいでそんな事になれば・・・、何百万、何千万もの損害を相手に負わせてしまいますし、自分の立場上、ココで仕事を続けるのは難しくなると思いました。 幸い、アスカはお隣の牧場の手前で止まってくれましたが、それ以来、安易に放す事が怖くなりましたし、リードのしつけを徹底するようになりました。
反対の経験もあります。 学生の頃、飛び出してきた犬を避けるためにバイクでこけてしまいました。 慌てて駆け寄ってきた飼い主さんは「○○ちゃん、気を付けなくちゃだめじゃない。 ホラ、お兄さんにごめんなさいしなさい。」などと言いながら、犬を抱き上げて、その場からさっさといなくなってしまいました。 「えっー!バキバキになった俺のバイクは?・・・」
どちらも、今となっては笑い話です。
だから、ピケちゃんには助かってもらわないと。
チビちゃんのお家は、チビちゃんを含めて4匹の犬を飼っています。 病気の予防もしっかりしている、優等生の飼い主さん。 今日、お母さんが、見知らぬ仔犬を抱いて来院しました。 「あれっ? そのコは?」と尋ねると、「昨日、お父さんが拾ってきちゃって、4匹も5匹も同じだろうって言うから・・・」との答え。 お父さんが、1週間程前から、ジョギング中の山道で見かけるようになったらしいのですが、どうやら捨て犬らしいと言うことで保護する事にしたのでそうです。 チビちゃんの家に拾われるなんて、運の良いワンちゃんです。 名前はハナちゃんだそうです。
しかし、未だに山に子犬を捨てるヒトもいるんですね。 信じられません。
今日の午後、来年度の狂犬病集合注射の打ち合わせ会議があります。 そのため、ご迷惑を掛けしますが、午後は休診とさせて頂きます。
開院当初は、去勢手術後、避妊手術後にも摘出した精巣や、卵巣、子宮を膿盆などに用意して、退院時に飼い主さんにお見せするようにしていました。 ただ、「イヤイヤ、私は見せて頂かなくても結構です。」と遠慮される方が殆どだったので、今ではこちらからお出しする事はなくなってしまいました。 勿論、飼い主さんのご要望があれば、退院時に確認して頂くようにしています。
最近、珍しく飼い主さんの方から、「取り出したタマタマ、見せて頂けますか?」と聞かれました。 勿論、お断りする理由はありません。 「ホラホラ、○○ちゃんも見せてもらいな。」と、一緒に来ていた小学生位のお子さんにも差し出します。 お子さんは「えっ!私も?」と言う顔で、恐る恐る覗き込んでいました・・・。 その方は更に、「ウチの妹の所は、ホルマリンに入れてとってあるんですよ。」と仰る。 思わず「趣味悪いですねぇ。」って言っちゃいました。
しかし、愛犬の一部とは言っても、精巣をホルマリン漬けにして残しておきたいと思いますか? その妹さんのリクエストなのか、それともそちらの先生はいつもそうしていらっしゃるのか。 ちょっと驚きました。
ドンちゃんは、開院当初からお付き合いのある18歳の猫ちゃん。 時々、具合が悪くなると、お母さんがキャリーをスクーターに乗せて来院されていました。 特に愛想が良いわけではないのですが、ノソノソーっと出てきて、おとなしく治療を受けると「やれやれ」と言った顔で、またノソノソーっとキャリーに戻って行くコでした。 今年の夏前位から体調が悪くなり、定期的に注射を打つようになりました。 お母さんには「ウチの看板猫なので、あと1年位はなんとか生かして欲しいんですけど・・・。」と言われ、「約束は出来ませんけど・・」と言いながら治療を続けてきました。 そのドンちゃんが20日に亡くなったと、お母さんが挨拶にこられました。
お客さんが来ると挨拶に回って、あとは特に食べ物をねだるでもなく、お店の隅で静かにしていたドンちゃんは、お客さん達にとても人気があったそうです。
「お世話になった、ほんの気持ちですけど・・。」とワインを届けて下さいました。 自分は、ドンちゃんの傍で飲んだ事はありませんでしたが、そんなことを考えながら、頂こうと思います。
これ、なんだか分かりますか? 100円ショップで買ってきた、2個入り105円の「ペットボトルジョウロ」。 ペットボトルに取り付けてジョウロとして使います(そのまんまですけど)。 子供達も、学校で鉢植えを育てるのに使っていたみたいですね。
これを、何に使うか分かりますか? アスカの散歩に携帯して、オシッコを洗い流すのに使います。 アスカの場合、散歩前に家でオシッコをさせる習慣を付けてあるので、散歩途中ですることは少ないですけど、それでも時々は。 誰だって、家の門柱や塀、プランターなどにオシッコを掛けられて良い気持ちはしないはずですからね。
病院の前や駐車場でも、よくオシッコされてしまいます。 まぁ、これは仕方ない事だと思っていますが、病院としては「感染症の伝播を防ぐ為」と「臭いなどでご近所に迷惑を掛けない為」に消毒液でその都度洗い流すようにしています。
病院内でオシッコをさせない為に気を遣っての事なのでしょうが、病院に入る前にオシッコをさせようと、駐車場や周囲の通りを歩かせたりしている方を時々見かけます。 ご近所の迷惑になりますので、これは止めて頂きたい。 むしろ、病院内でしてもらった方が、片付けや消毒が楽なんです。
現在では、屋外より屋内で飼われているワンちゃんが数で勝るようになりました。 夫々、メリット、デメリットがあるので、どちらが良いとは一概には言えないと思っています。
家の中で飼う最大のデメリットは、ヒトの生活圏と重なる事で、ヒトの食べ物、ヒトの薬、観葉植物、その他もろもろを齧ったり、飲み込んだりしてしまう危険が高くなる事でしょうか。 結果として、怪我、中毒、腸閉塞などで命を落とす事も決して珍しくはありません。
ここ数日の間に、「クレンジングオイルのボトルを噛み砕いて、舐めてしまった。」「鉛筆を噛み砕いて、飲み込んでしまった。」「袋に入っていた飴をそっくり食べてしまった。」「おつまみのスルメを食べられてしまった。」との相談や来院が相次ぎました。
そのクレンジングオイルのボトルには、成分表示がありませんでした。 調べてみても、クレンジングオイルって、メーカーや製品によって添加してある成分がまちまちなので、一概に大丈夫かどうかの判断が難しかったです。
飴も、包み紙、ビニールが腸閉塞の原因になることがありますし、最近は甘味料にキシリトールを使っている製品が多いので、その含有量によっては中毒を起こす可能性があります。 今回の、ご相談でも
「キシリトール」の事を心配されていましたが、「キシリトール」をどれだけ含んだ飴を、どの位食べたのか
よく分からず、「大丈夫」とも、「危険」だとも言えませんでした。 ちなみに、10~15kgの犬で、1gのキシリトールを摂取すると、重度の低血糖が起こる危険があります。
チョコレートやタマネギのように、ヒトでは普通に食べている物で、犬や猫は命を落とすことがあります。 観葉植物にも有毒なものが多くあります。 ただ、結局、「○○には毒がある。」とか「○○は食べさせちゃダメ。」とか一つ一つの問題より、それらをワンちゃん達が簡単に噛んだり、飲み込んだりできる環境の方が問題だと思うんですけどね。
土曜日に、烏骨鶏が2羽血まみれで来院しました。 ネットで囲んだ運動場に、猟犬が入り込んでしまったのだそうです。 ほぼ全滅で、僅かに残った2羽を、慌てて連れてこられたお母さんは、あまりの惨状にパニックになっており、病院でも震えが止まらず、立っていられない状態でした。
2羽共、かなりの深手を負っていて、「助かる可能性は、低いですが・・・。」とお話しました。 でも、「この子達、怖い思いをして、なんとか生き延びた2羽なので、可能性は低くても、できるだけの処置はしてあげて下さい。」と仰られる。 飛び出してしまった腸を戻して、腹腔洗浄をして、縫合をして・・・
残念ながら、朝までに2羽共亡くなってしまいました。
お迎えにこられたお母さんは、すっかり落ち着きを取り戻しておられました。 「結局、6羽が逃げ延びてくれていました。 今朝、こんな状況なのに1羽が卵を産んでくれて・・・。 もう一度、最初からやり直します。」と帰って行かれました。
病院には外国籍の飼い主さんも結構来院されます。 上田市は県下で最も外国籍の方が多いらしく、2006年の統計では、48カ国6093名の方がお住まいなのだそうです。 ブラジル国籍の方が一番多く、約3000名、次いで中国国籍の方が約1000名、ペルー国籍の方が約500名・・・と続きます。 ブラジルの方にお聞きすると、ブラジルではシーズーを飼う事が成功者のステイタスのようになっているのだとか。 確かに、ブラジルの方はシーズーを連れてこられる事が多いですよね。 勿論、外国籍の方をなんら区別するつもりはありませんけど、どうしても説明が不充分になっていしまい、消化不良で終わってしまう事が多いです。 中には、日常会話すら厳しい方もいらっしゃるので、一緒に来るお子さんとかが頼りだったりする事もあります。 もっとも、説明については、日本語でも苦労しているんですけどね。
今年2月に手術をしたジュンちゃんは、もう既に手のつけようのない状態で、飼い主さんはその時点で安楽死も考えていました。 それから化学療法を続けて約9ヶ月。 先程、「今、静かに息を引き取りました。」とご連絡を頂きました。 「昨日までは、少しだけどお散歩も出来たのだけど、今日は夕方から立てなくなってしまって・・・、大好きなアイスクリームを少しだけ舐めた後、クーンと少し鼻を鳴らして、そのまま苦しがることなく眠るように・・・」と。
飼い主さんが、「この9ヶ月間、ジュンちゃんにとっても、家族にとっても、大切な時間でした。」と仰っていらしたのが印象に残ります。
今入院している黒猫に名前は無い。 ご自宅の庭に倒れていたこの猫を、放っておけずに「もう、だめだと思うんですけど・・・。」と言いながら連れてこられた。 猫白血病ウイルスの感染があり、それに伴うと思われる重度の免疫介在性貧血がある。 状態としては、かなり悪いけれども、なんとか命は取り留めそうだ。
保護した方は、「猫は死期が近づくと姿を隠すって聞くのに、なんで家の庭にいたんですかねぇ。」と不思議がられていた。 確かに、昔からそう言われている。 でも、夢を壊すようで申し訳ないのですが、「死期が近づいた猫が、姿を隠す。」わけではなく、「外に出た猫が、衰弱して家に戻れなくなってしまう。」と言うのが実際のようです。 「象の墓場」の伝説が作り物であるように・・・。 猫の持つ、ミステリアスな雰囲気が、そんなイメージを作ったのかもしれません。
保護された方は、御自宅を死に場所に選んだこの猫に、不思議な縁を感じておられる様子。
今日は、大星斎場で「動物慰霊の会」に出席して、沢山の飼い主さんたちと一緒に、自分の関わった命に花を手向けてきました。
最近、「これ以上、手の施しようがない。」とか「飼い主さんから治療の同意が得られない。」とか「思うように治療の成果が上がらない。」とか「大学病院に紹介しなきゃ。」とか、悩ましいケースが多くて、落ち込んでいました。 でも、交通事故でグシャグシャになった「ゆずちゃん」が、来る度に綺麗になってきたり、全身ハエウジだらけで、高齢犬のようにヨボヨボ歩いていた「クロちゃん」が別人(別犬)のように元気に、跳ねる様に来院してくれると、やっぱり勇気付けられますねぇ。
初めて来た時のクロちゃんは、「どこのwater dog?」と言う感じのドレッドヘアー。 と、言うより「全身が毛玉の塊」でした。 しかも、毛玉の下にウジが湧いていて・・・。 飼い主さんには、かなり厳しい事を言ってしまいました。
2日がかりで、全身の毛玉を刈り取って、ウジを取り除きました。 ウチのスタッフもかなり頑張ってくれましたけど、クロちゃんもその間、ずっとおとなしくしていてくれました。 本当に可愛い、いい子です。 刈った毛で、スーパーのレジ袋が3つ一杯になりました。 毛を刈ってみると、クロちゃんは多分トイプードルのmix犬じゃないかと思います。 とにかく、見た目は、来た時の半分になり、特に、頭なんか1/4になっちゃって・・・、一番びっくりしていたのは飼い主さん。 曰く、 「本当はこんな犬だったんですねー。」(笑)
まだ、身体中ウジに喰われて穴だらけですが、1ヶ月もすればきっと綺麗に治ります。 飼い主さんも、かなり反省している様子ですし、これからは大丈夫でしょう。 とても元気になって帰って行きました。
開業当初から診ていた「ミキちゃん」が先月亡くなった。 お母様が、ご報告と共に、残ったペットシーツやオムツを「他の子に使って下さい。」と持ってきて下さった。 ありがたく使わせて頂きます。
今年3月に、「ミキちゃん」の娘、「ノンちゃん」が先立ったばかりで、お家も寂しい事だろう。 しかし、「ミキちゃん」はあと数ヶ月で18歳。 ずっとアトピー性皮膚炎に悩まされ、心臓が悪く、白内障で、腫瘍の摘出もした。 更にここ2年位は、脳性の神経症状が次々に出ていた。 この5年間の来院回数で言えば、多分一番多いのではないだろうか。 とにかく、沢山の病気と、長い間闘ってきた。 不謹慎かもしれないけれど、「お疲れ様」と素直に言っていいんじゃないかと思う。
今度、猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症、所謂、「猫のエイズ」のワクチンが使えるようになりました。 これまで「猫免疫不全ウイルス感染症」と「猫白血病ウイルス感染症」はセットとして説明する機会も多かったのですが、「猫白血病ウイルス感染症」がワクチンで予防できたのに対して、「猫免疫不全ウイルス感染症」については、「他の猫との接触を避ける」位の予防策しかありませんでした。
特に、自由に外に出入りしている猫ちゃん達には、お勧めしたいところなのですが、現時点ではまだ積極的にお勧めできない状況にあります。
新しいワクチンなので、まだ製造が追いついていないらしく、現在は動物病院でもわずかしか手に入りません。 しかも、初年度は2~3週間置きに3回の接種が必要になりますので、当院で今年中に接種できるのは、多くても2,3頭と言う状況です。
ワクチンが安定して手に入るようになるまでは、まだ時間が掛かりそうなので、しばらくは「新しく猫エイズのワクチンが出来ました。」と言うご案内だけになってしまうかもしれません。
なんだか最近、怪我?での来診が多いような気がします。 「他の犬に咬まれた」「脱走して、帰ってきたら怪我をしていた」「突然、肢が着けなくなった」等々。 特に、ここのところ「他の犬に咬まれた」と言うのが多いようです。 動物もヒトも、暑さでイライラしているのでしょうか?
最近は雷も多いですし、あちこちで花火が上がる時期になりました。 犬達にとって、雷や打ち上げ花火は恐怖でしょう。 実際、パニックに陥って大怪我をしてしまう子もいます。 あまりひどい場合は、お薬でコントロールしたり、根気強く馴らしていかなければなりません。 ウチの飼い犬も、雷で時々ちびってます。
「タマネギ中毒」。 分かり難いかと思いますが、写真は「タマネギ中毒」になったワンちゃんの血液です。 遠心分離によって赤血球が沈んでいますが、壊された赤血球のせいで上澄みの部分「血漿」が真っ赤です。 こうなるとオシッコも真っ赤になってくるので、飼い主さんもびっくりして連れて来られます。 ちなみに、一番左は赤血球が少なくなり、「血漿」が黄色くなっていて、貧血、黄疸です。
最近では、飼い主さんの間にも、ネギ類、チョコレートの中毒の危険性が浸透してきているので、食べてしまった段階で慌てて連れてこられる事が多くなりました。 ただ、「犬には、ご飯に味噌汁」と言う認識もまだまだ残っているようです。
6月は上小地区の獣医師会と自治体が共同で行っている「バースコントロール」の対象月になります。 これは、6月中に犬・猫の去勢、避妊手術を受ける方を対象に、去勢に対して3000円、避妊手術に対して5000円の助成金をお出しする事業です。 ただ、6月の第1診療日だった昨日、既に当院に割り当てられた頭数に達し、手術の予約で一杯になってしまいました。 当院での「バースコントロール」の受付は、キャンセルがでない限り、終了となりました。 6月に比べると僅かな頭数ですが、10月にも「バースコントロール」の受付がありますので、ご希望の方はお早めにお問い合わせ下さい。
昨夕、真田で保護されたワンちゃんが来院しました。 かなりの高齢のようですし、恐らく車に轢かれたのでしょう、腰の辺りに強い痛みがあって、立ち上がる事もできません。 応急処置はしましたが、既に神経症状も出ていて、非常に厳しい状態でした。 でも、「うちで様子を見ます。」と、保護された方がそのまま連れて帰られました。 朝一番で役場に連絡を入れ、飼い主さんを探して頂くお願いをしました。 暫くして、飼い主さんと思われる方から連絡を頂きました。 1週間ほど前に逃げ出して、探していたのだそうです。 保護された方に連絡を入れましたが、残念ながら昨夜のうちに亡くなってしまったとの事でした。 既に、大星斎場に火葬の予約を入れてあるとの事でしたので、そちらで飼い主さんに確認して頂きました。 やはり、その方の飼い犬に間違いないそうです。 残念ながら、命あるうちにお家には帰れませんでした。
保護された方は「うちの家族は、何でも拾ってきちゃうから。」と笑っておられましたが、最後までしっかり面倒を見る姿勢は、本当に立派です。
狂犬病の集合注射に行くと、毎日100~200組のワンちゃんと飼い主さんのコンビを見る事になります。 その中でも、特に数組、印象に残ったコンビがありました。
ある飼い主さんは、常にワンちゃんに話しかけていて、一見とても微笑ましい様子です。 でも、よく見ていると、ワンちゃんは飼い主さんの言葉は全く聞いていなくて、自分の行きたい方へ歩き、自分のやりたい事を自由にしているだけ。 飼い主さんは、「そんなことしちゃだめよ。」「そんな方に行っちゃだめよ。」と言いながらも、嬉々としてワンちゃんに付き従って歩いています。 完全に主従の関係が逆転しているようです。 いざ注射となった時、飼い主さんは「はい、お座りして、”おじちゃん”によろしくってご挨拶しなさい。」「・・・。」とても出来そうにない指示を何度も繰り返します。 自分もどうリアクションしたらいいか分からなくて、「それじゃ、注射を打ちますから、首輪を持って、お尻をこっちに向けてください。」とお願いすると。 「えっ?、そんな事するの?、私が?」と言われてしまいました。 結局、保定枠を使って、大騒ぎで注射を済ませました。
軽トラの荷台に甲斐犬を2匹載せて集合注射会場にやって来た飼い主さん。 2匹は、他の犬たちを見て大興奮でしたが、そのお母さんは、全く動じることなく、穏やかに微笑みながら「うるさくてすいませんね~。」と言いながら何気な~く、ギャンギャン吠えまくっている甲斐犬2匹の首っ玉をグイッと掴みます、すると2匹は大人し~く、注射を打たせてくれました。 まさに「母は強し」。
小学生の娘さんと一緒に来られた飼い主さん。 「私自身が注射が苦手だから~。 キャー痛そ~。 イヤー見てられな~い!」と大騒ぎ。 当のワンちゃんは、涼しい顔をした娘さんに抱っこされたまま、涼しい顔で注射を受けました。 自分は、とっくに次のワンちゃんに向かっていましたが、そのお母さんはまだまだ「キャーキャー」騒います・・・
・・・まぁ、色々あります。 写真は小さくてよく分からないかもしれませんが、沢に渡したこいのぼりの列です。
昨夜から雨と風がすごかったので、今日の集合注射は覚悟して出かけました。 しっかり重装備のレインジャケットに帽子、それと使い捨てカイロを持って・・・ 雨の中の注射は、傘などで手が塞がっていたり、足場が悪いので、飼い主さんが転んじゃったり、大変です。 こちらも、アルコール綿を持っている左手の指が痺れて、感覚がなくなってくるし、なにより寒い!。 かなりの覚悟を持って、今回2度目の菅平に行きましたが、タイミングが良かったのか、その時間だけ日が射してラッキーでした。 でも、ちょっと風邪気味かも・・・ 真田ツアーもあと1日。 事故なく終わらせたいものです。
写真は、高校の頃登った事のある、烏帽子岳。
パティーちゃん達、3人組の勢揃い。 さすがに3頭一緒に病院に来る事はないので、お家の近くまで伺う、集合注射ならではの光景です。
集合注射の時は、こう見えて自分もかなり緊張しています。 最大の理由は、飼い主さんの保定(押さえることです)で注射を打たなければならないからです。 今年も、これまでに3回ほど、危なく咬まれるところでしたから・・・。 「大丈夫、大丈夫、うちのは何にもしないから」、毎日何人かの飼い主さんに言われますけど、こちらも素人ではないんで、その言葉を鵜呑みにはできません。 しっかり保定して頂きます。 確かに普段はおとなしい子なのでしょう、前回もおとなしく出来たのかもしれません。 でも、集合注射と言う異様な雰囲気の中で、知らない人にいきなり針を刺されるわけですから、おとなしく出来なくても無理はありません。 それでもおとなしく注射させてくれるのは、ワンちゃんが飼い主さんを信頼しているからです。 注射する瞬間、ワンちゃんと飼い主さんの関係がはっきり分かりますよ。
よく、コメントを書き込んで頂いてる、MOCOままさんの愛情たっぷりのブログを紹介します。
http://blog.ipetclub.jp/mocomoco820/
雨。 明日は狂犬病集合注射当番の初日なのに・・・。 嫌だなぁ、徹夜明けで、雨の中の注射。
27日の夜は、妻に夜勤を代わってもらったのですが、それ以外は25日からずっとチョコちゃんに付きっ切りでした。 そのチョコちゃんの容態が急変し、昨夜そのまま亡くなってしまいました。 状態を考えると、充分考えられることでしたが、昨日などは、食欲も出てきて、一時退院も考えた程体調が良かったので、突然の死に正直愕然としています。
チョコちゃんの飼い主さんは、うちの子供たちと同じ年頃の3人のお嬢さん。 その子達が「ありがとうございました。」と頭を下げて、泣きながら帰っていかれました。 子供達の涙は、かなりきついです。 この数日間の疲れが何倍にも感じられます
マラソンなどでよく聞く「セカンドウインド」。 「もう無理だ!」と言うところを越えた時に、フッと楽になる事があるらしい。 そこまで頑張った事が無いので、自分には「らしい」としか言えませんけども・・・。
馬の仕事をしていた頃、春の繁殖シーズンの忙しさは、もう尋常じゃありませんでした。 毎晩お産に立ち会って、昼は種付けの立会い、生まれた仔馬を見に来る馬主さんや調教師さん、新聞、雑誌の取材などのお客さんの対応・・・ 疲労と寝不足が溜まって来ると、2、3時間空いた時間に寝ようと思って横になっても、逆に眼が冴えちゃって全然寝れなくなるんですね。 身体も疲れてるし、確実に眠いはずなのに・・・ そんな状態が続くと、ソファなんかにドサッと座ってボーッとした時に、フッと意識がなくなっている事があります。 時間にしたら、ほんの5分か10分なんだけれど、ものすごく熟睡しているんでしょうね、気が付くと嘘のようにスッキリしている。 馬の仕事をしている時は、繁殖シーズンに何回かはそんな事がありました。
これも「セカンドウインド」なのでしょうか? 今夜も、なんとか頑張れそうです。
マリリンちゃんは、慢性腎不全でした。 残念ながら、既に手の施しようが無いほど進行してしまっていて、正直、時間の問題でした。 昨日、迷いましたが入院よりも、自宅での療養をお勧めしました。 今朝早くに亡くなったとのご連絡を頂きました。
マークちゃんは、ここ1、2年、夜鳴きや彷徨など、老齢性の認知症で、また殆ど歩けなくなってしまった最近では床ずれ対策に、飼い主さんは心を砕いていらっしゃいました。 今日お昼前に「眠るように亡くなりました。」とご連絡を頂きました。
残念ではありますが、マリリンちゃんも、マークちゃんも、よく頑張りました。 飼い主さんも・・・
昨日のブログにも書きましたが、お預かりして、飼い主さんを探していたワンちゃん。 先程、飼い主の方がみえて、無事お家に帰っていきました。 歯がとても綺麗だったので、もっと若いのかなと思っていましたが、15歳だということでした。 とにかく、よかったです。
昨日は、どうしても手術を先送りにできず、診察前6時頃から手術を始めました。 予想通り、十二指腸の閉塞でしたが、胃から紐状に繋がった異物は、ゴム、プラスチック、ビニール、毛などが絡み合ったもので、結局十二指腸を3箇所と胃を切開してやっと全て取り除きました。 「どんなにかかっても、せいぜい2時間だろう」と言う読みは甘く、結局診察時間に1時間近く食い込んでしまいました。 お待ち頂いた皆さん、ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。
まさに朝飯前になる予定だったのですが、やはりそう思い通りにはなりませんね。
「うちの犬は、ヒトの言ってる事が何でもわかるんだよ。」飼い主さんが眼を細めてそう仰る。 その場では、敢えて否定するような事は言わないですけど、残念ながらワンちゃん達にはヒトの言語を理解する事はできません。 ワンちゃん達を、我が子のように、孫のように可愛がっている飼い主さんには受け容れ難い事だと思います。 でも事実なんです。 しつけの失敗(飼い主さんは、そう思っていないかもしれませんが)には、この認識の欠如が大きなポイントになっているように感じることがあります。
臨床家を戒める言葉に、「猫は小さな犬ではない」と言うのがあります。 「犬と猫には共通する部分はあっても、異なった動物種なので、各々の診療には、各々に対する知識、技術を身につける必要がある」と言う事だろうと思います。 同じように、犬は小さなヒトではありません。 一緒に生活する為には、ワンちゃんのことをもっと理解する必要がありますよね。
骨折の手術は、壊れたものをできるだけ元に戻す作業で、模型作りやパズルなんかの感覚に似ている気がします。 子供の頃から、プラモデルなどは、時間をかけて丁寧に作ると言うより、がーっっと一度に作ってしまうタイプなので、本来はこう言う作業には向いていないのかもしれません。 そんな事もあって、根を詰める骨折の手術は本当に疲れますけど、その分、手術後の達成感は大きいんです。 そんな達成感が飼い主さんに伝わってしまうのか、手術が終わると「もう、治ったんだ。」と思ってしまう飼い主さんも少なくないような気がします。 手術は、ずれた骨を元に戻して、器具で仮止めをしているだけ、実際に治っていくのは手術の後なわけですから、術後の管理がとても大事なんですけど・・・
どんなにしっかり管理していてもアクシデントはあります、生き物ですから。 でも、明らかに管理に問題があった場合、やっぱりガックリしちゃいますよねぇ。 一生懸命に作ったプラモデルを、ちっちゃい子供に「クシャッ!」と潰されちゃった感じかな。
骨折と、脱臼の整復手術。 2日続けて骨の手術をすると、ちょっと筋肉痛。 情け無い話です。 パンちゃん、今度はきちっと治しましょう!
さて、写真はウサギの不整咬合。 見ての通り、この切歯は根元から捻れて曲がって伸びています。 元々はケージをかじったりすることが原因だろうと思われます。 もう、こうなると矯正は難しく、「噛み切る」と言う切歯本来の機能は失われます。 定期的にダイヤモンドディスクなどで切断して、維持していかなければなりません。 たまに、伸びた切歯をニッパーなどで切断している方もいますが、ウサギは骨が脆いので、ニッパーで歯に無理な力を掛けると、逆に変位を起こして曲がってしまいますし、歯が縦に割れてしまって歯根膿瘍を起こす事もあります。 写真では分かり難いですが、この子も左下の切歯が伸びすぎたせいで折れてしまっていて、根元からチーズ様の膿が出ています。
リンクをしている、「ねこテレビ」http://www.nekotv.jp/index.htmlで動画を見ていたら、先月骨折の手術をしたパンちゃんが・・・ 自分が付けた外固定のエポキシパテをくっつけたまま、元気に走り回っている映像が!!!
パンちゃん、大丈夫か? 断脚も考えた程のグチャグチャな骨折だったのに、まぁ仔猫だから治るのも早いだろうけれど、まだ1ヶ月経っていないし・・・。 そろそろ、経過を見せてくださいね。
実習生の方々が来ると、確実にやってもらう仕事が幾つかあります。 例えば、「各診察終了毎に診察台を消毒液を使って拭取り掃除をする」とか、「洗濯の終わったタオルなどに付いている毛をガムテープを使ってペタペタ取る」などです。 多分、実習生さん達のなかには、1日中ペタペタやっていた印象だけ残っている人もいるのではないでしょうか?
これらの仕事は、確かに「雑用」です。 それは間違いありません。 でも、診察台の消毒などは、院内感染を防ぐ意味でもとても重要です。 それ以上に、例えば自分が病院に行った時「そこに横になってください」と促された診察台が汚れていたり、消毒液でベタベタしていたら素直に横になれるでしょうか? 泊まったホテルや旅館で出されたタオルや布団カバーやシーツのあちこちに、他の人の毛が付いていたら、綺麗に洗濯してあるとわかっていたとしても気持ちのいいものじゃないはず。 そう考えれば、その仕事はどのようにするべきか、何が完成形なのか分かってもらえるのではないかと思います。 実習生と言いながら、自分への戒めでもあります。
毎年、商工会議所、上田職業安定協会がアレンジしている「インターシップ推進事業」から実習生を受け入れています。 先週の月曜日から金曜日まで、二人が実習していきました。 これまでは、獣医大学生、動物看護師養成の専門学校生、高校生でしたが、今回は文系の短大生でした。 二人とも、「動物が好きで、将来はできれば動物に関係した事務的な仕事をしたい」との希望を持っている方達で、しかも大学の単位になる、正式な実習だと言う事だったので、正直、どのような実習を用意すればよいのか悩みました。 結局は、いつものように殆どが見学と診察の準備、片付けの雑用を手伝ってもらうだけになってしまいました。 何かの参考になったのでしょうか?
今週は、どうしてもしておかなければならない手術を日曜日にして、月曜日に、今も入院している交通事故の仔猫が保護されてきたので病院に泊まっていたりして、なんとなくメリハリもなく水曜日になってしまった感じがします。 交通事故の仔猫は、一命は取り留めそうですが、この後の管理に課題が残るかもしれません。 保護された方が「飼いたい」とお考えなので、できるだけの事はしてあげたいと思います。
骨折したクロちゃんが、1ヶ月以上付けていたキャストを今日はずしました。 やんちゃ盛りの仔犬なので、念のためあと1週間ほどサポートのバンデージを巻くことにしましたが、かなり軽そうになりました。 はしゃぎ過ぎて、又骨折しないでね。
今日は、市の担当者の方と一緒に、真田地域のお宅を訪問して、狂犬病の予防接種をしてきました。 春もそうですけど、真田は菅平まで、かなり標高差があるので色々な秋を見ることができます。 とは言っても、そろそろ秋も終わりですね。 綺麗な写真は撮れませんでした。
訪問注射(往診)は、それぞれのワンちゃんのテリトリーに入る訳で、そういう意味での緊張感があります。 でも、その子の生活が垣間見えて、楽しいですよ。 今日伺った中で、庭の鶏小屋の屋根の上がテリトリーの子がいました。 階段をガガーっと登っていって、そこで一生懸命吼えていました。 吼えられても、なんか健気で可愛いです。 こいつも、頑張っているなと・・・
我が家は、先週当たりから家族揃って、なんとなく全員風邪気味です。 寒暖の差が大きいですから、体調を崩し易い季節ですよね。 その分、リンゴは甘くなるんでしょう。
自分が市販の風邪薬を飲む事はまずありませんが(だって、風邪を治す薬じゃないですもん)、市販されている風邪薬には犬猫で中毒を起こす成分も含まれていますから、管理には注意してくださいね。 特に主成分になっていることが多いアセトアミノフェンは、多量に摂取されるとメトヘモグロビン血症、溶血、肝臓、腎臓障害などを起こし、死に至ることもあります。 (代謝能力の差から、犬よりも猫の方が少量で中毒を起こします。) また、市販されている風邪薬の殆どに含まれている無水カフェインは、チョコレート中毒の原因となるチオブロミンと同様、メチルキサンチンアルカロイドで中枢神経系に毒性を示します。 ヒトでは眠気ざましにお茶や、コーヒーなんかを飲みますが、眠気ざましを通り越すと、過剰反射、頻脈、呼吸速拍、高体温、低血圧から心不全、死に至る事もあります。
以前、飼い猫のクシャミ、鼻水に、ご自身の風邪薬を飲ませたが治らない、と連れて来られた飼い主さんがいました。 その時も同じ説明をして、止めて頂きました。 風邪薬に限らず、どんな薬も用量を間違えれば中毒を起こす可能性があります。 そして、ヒトも含めて動物の種類によって、薬に対する感受性、毒性は異なります。 記憶のどこかに留めておいてくださいね。
こんな事をカミングアウトしてどうするんだと言う話なのですが、自分は昔から胃腸が弱いんです。 食べ過ぎ、飲み過ぎは勿論ですけど、神経性胃炎とでも言うのでしょうか、緊張したりすると胃腸がキュルキュルしちゃいます。 中学の頃なんかは、大事な(自信の無い?)テストの時とかにキュルキュル。 今でも大きな手術の時なんかにキュルキュルしてます。
話は変わりますけど、獣医師になってから、「重症の胃腸障害にぶつかると、自分の腹の調子も悪くなる。」そんなジンクスが自分の中にできてしまいました。 ナリタブライアンの時もそう、セブンちゃんのときも、あの子の時も、この子の時も・・・ もっとも、こう言う症例に掛かりっきりになると、食事も、生活そのものも不規則になるので、自分の体調管理がおろそかになる事も原因だとは思います。 まぁ、「病は気から」と言うか、こんな事を意識しているからかも知れませんね。 そんなわけで、今日もキュルキュルなんです・・・・。
飼養頭数において、室内犬が外飼いの犬を上回る時代になりました。 ワンちゃんは、更にヒトに近いところで生活をするようになったわけです。 勿論、それが悪いわけではありません。 ただ、その事による最大の弊害が「犬の肥満」ではないかと思っています。 来院の度に体重が増えていく子がいます。 「そろそろ、本格的に減量を考えた方がいいですね。」自分の提案に「そうだよねぇ」と取り合えず賛同してはくれるのですが、話は大概そこで終わり。 「うちの子は、ドッグフードを食べなくて・・・。」「ヒトが食べていると、もらえるまでそこで待ってるから・・・」「お腹空かせてると、可哀相で・・・」等々、そうなってしまった原因が、自分にあることにすら気付いていない言い訳が続きます。 そう言う時は、自分も深追いしないようにしています。 飼い主さんも「ワンちゃんの為に」「ワンちゃんが喜ぶから」「自分も嬉しいから」と思ってやっている事を、頭ごなしに否定されれば面白くないでしょうし。
ただ、「うちの子、ご飯食べないから・・・」とポテトチップスなどのスナック菓子や、ジュースで子供を育てる親がいるのでしょうか? (こういう時代ですから、いるかもしれませんけどね。) 誰が考えたって、結果は見えてますよね。
「このワンちゃん、減量しないと、数年後には確実に歩けなくなりますよ。」、本気で言っているんですけど、なかなか取り合ってもらえないので、ちょっと愚痴ってみました。
猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)によって二次的に起きる、難治性の口内炎、歯肉炎で苦労している猫が結構います。 抗生剤、消炎鎮痛剤、インターフェロン等々を使ってコントロールしながら、だましだまし維持していくしかないのですが、重症になると、ご飯を食べなくなるし、口を触られる事自体を嫌うようになるので、経口投薬も難しくなります。
そんな中で、ある飼い主さんが「薬を使わないと、食べなくなっちゃうのは分かっているんだけど、薬を飲まそうとすると逃げてしまって・・・ 最近では、自分の顔を見ただけで逃げてしまう。 この子の為にしている事なのに、この子に嫌われてしまうのが切なくて・・・・」とこぼされた。 うーん。 飼い主さんの考え方次第と言ってしまえばそれまでですが、難しい問題ですね。
最近になって、アトピー性皮膚炎の症状が悪化して来院する症例が増えています。 カルテを遡ってみると、やはり毎年この時期になると症状が悪化している子が多いようです。 飼い主さんの中には「ブタクサの時期になると、決まって痒くなる。」と具体的な名前を挙げる方もいます。 「ブタクサ」 まんざら見当違いの推測ではないかもしれません。 ヒトでもこの時期に、クシャミ、鼻水、結膜炎と「スギ花粉症」と同様な症状を示す「ブタクサ花粉症」が存在します。 もっとも、「スギ花粉症」程注目されてはいないようですし、時期的にも「風邪かな?」と考えてしまう事が多いようです。
「ブタクサ」は北米から入って来た、キク科の植物ですが、この時期小さなヒマワリのような花をつけた群生を見かけますよね。 太平洋戦争後、進駐軍と共に日本全国に拡がった植物らしいです。
いずれにしても、普段の食事管理とこまめなシャンプー、更に必要に応じてお薬を使いながら、この時期が過ぎてくれるのを待つ事になります。
「風邪で病院に行ったら、インフルエンザに感染しちゃって・・・」ヒトでも、そんな話をよく聞きます。 病院は、病気を治す場所ではありますが、ウイルスや細菌などの病原菌が集まってくる場所でもあります。 勿論、病院側でも院内感染を防ぐ対策を施しています。 手指、診察台、タオル、器具等はその都度洗浄、消毒を行う。 駐車場、待合室、診察室、入院室などに残された糞尿、涎、汚れなどはその都度消毒する。 毎日、診察終了後に、壁、床等も拭取り、消毒する。 などは、どの病院でもしていることでしょう。 中には、更に徹底して、予約制にして、待合室での接触をできるだけ制限したり、初めてのワクチンを接種しに来る仔犬、仔猫の為に分院を作ったり、受付をドライブスルーにして、感染症とその他の治療について、待合室や診察室を完全に分けている病院もあります。
待合室で、飼い主さん同士が、仲良くお話ををしているのは、見ているこちらも心の和む光景です。 でも、まだワクチン接種が終わっていない仔犬が、他の飼い主さんたちに「可愛い」と撫でられている所を見ると、どう声をかけようか迷ってしまいます。 無下に「止めなさい」とも言えませんし・・・
ペットホテル、ドッグラン、美容室(トリミング)・・・そして動物病院を利用する方は、やはりワクチン接種はしておいたほうが間違いありません。 そして、待合室では他の犬や猫との接触をできるだけ避けた方がよいでしょう。 「病院に行って病気になる。」そんな最低な結果にはしたくありません。
看護師さんとして手伝っていただいていた林さんが、9月一杯で退職されます。 彼女は獣医師の資格を持っていますが、本人の希望で看護師さんとして働いていただいていました。 11月からは、本来の獣医師として以前にお勤めだった病院に戻るそうです。
その為、当院も新たなスタッフを募集しています。 既に何人か面接に来て頂いています。 生意気ですが、当院では例え1日でも、当院での実習経験をしていただいた上で採用を決めさせていただくようにしています。 僅かでも仕事ぶりを見せてもらうと、仕事への姿勢がなんとなくつかめます。 それと、当院の様な小さな個人病院では、院長の考え方によって方針が全く違います。 例えば、「動物病院はサービス業である。」と考える先生もいれば、全く逆に「動物病院は、断じてサービス業ではない。」と考えている先生もいます。 当然、応対や治療方針などに違いが出てくるわけで、面接に来てくださった方にとっても、そこの院長がどんな方針で治療を進めるのか、患者さんへの応対の様子とかを実際に見る事は必要だと思います。 ミスマッチを防ぐ為にも。
と言うわけで、まだスタッフ募集中ですので、ご希望の方は、ご連絡下さい。
ここ数年、毎年恒例になった、中学生の体験学習。 今年は3人が来てくれました。 今年の3人は、獣医師を目指していたり、動物を扱う仕事をしたい、と言う具体的な目標を持っている子達だったせいもあって、かなり真剣に取り組んでくれていました。 手術なども、ずっと立って見ているのは結構大変なのですが、最後までしっかり見てくれました。 文化祭の時に、今回の体験学習について全校の前で発表するのだそうです。 今日の実習内容で大丈夫だったのでしょうか?
自分が獣医師を志したのも、彼らと同じ中学生の頃でした。 でも、彼らほど、しっかりしていたかどうか・・・。 いずれにせよ、彼らが獣医師になるのは、10年ほど先になるでしょう。 獣医師同士として、話ができる日が来るのを楽しみにしています。

写真はニホンマムシ。 見るからに怖そうですが、この時期は繁殖シーズンで、攻撃的になることもあるそうです。 活発に活動するのは雨上がりの夕方から夜なので、その時間に田んぼのあぜなどを散歩されている方は要注意です。 今、マムシに咬まれたワンちゃんが治療中です。 命に別状は有りませんが、咬まれた右手は、恐ろしく腫上がり、皮膚や皮下識が壊死して溶解して、飼い主さんでも目を背けたくなるような状態です。 でもピークは越えた様なので、後は根気良く再生を待つ事になりそうです。
実際にマムシに咬まれたらどうしましょう? 10~25%は毒が入らないと言われてはいますが、毒を吸出し、洗浄するのがまず第一になるでしょう。 でも、なかなか難しいですよね。 毒が急速に全身に回らないように、心臓に近い一関節上で緩く駆血して、安静にして運ぶようにしましょう。 マムシの毒は出血毒、溶血毒が主体なので、出血、腫れ、組織の壊死が中心になり、死に至るケースはそれ程多くはありません。 でも、ヘビなんか見つけると、よせばいいのにワンちゃん達ってちょっかい出しますからね。 取り合えず、頭の隅にいれて置いて下さい。
昨日当たりから、全国各地で熱中症が多発しているようです。 当院では、今年はまだ熱中症での来院はありませんが、先日他院での報告を聞いたばかりです。 車内や締め切った部屋で多く見られますが、勿論野外でも起こることがあります。 シーズーやパグなどの所謂"短頭種”と呼ばれる犬種での発症が最も多く、次いでラブラドール・レトリバーの発症が多いので、特に注意が必要です。
基本的に、飼い主さんが、気を付けていれば防げる病気なのですが、もしそう言う状況になってしまったら、とにかく早い治療が必要になります。 軽度のものであれば、涼しい所で休ませてあげるだけで回復することもありますが。 まず、応急処置として、ワンちゃんの身体を濡らす、あるいは濡れたタオルをかけて扇風機などで風を送ります。 そして、状態に気を付けながら、速やかに病院に運びます。 重症であったり、処置が遅れると死んでしまう事も多い疾患です。 まずは予防を心掛けてください。 飼い主さん御自身も、こまめに水分を摂って、暑い夏を乗り切りましょう
よくある電話での問い合わせ、「机の上に置いてあった、ヒト用の薬を飲んでしまった。」「殺虫剤、殺鼠剤を食べてしまった。」・・・・「大丈夫でしょうか?」
食べた物によっては、様子を見て頂くだけで良いケースもありますが、基本はやはり、飲み込んだ物と同じ薬を持って、できるだけ早く病院にお連れ頂く事です。 拮抗薬や特効薬がある場合はともかく、一番確実な方法は、吐かせる事です。 飲み込んだ薬は、遅くとも4時間後には十二指腸に達してしまいますから、それ以降に吐かせたり、胃洗浄などの処置をしても無意味です。
まず第一は、とにかく犬や猫達が簡単に口にできるような所に、薬や他の中毒を起こす物を置かない事。 これに尽きますが、もし飲み込んだことが分かったら、とにかく早く病院に運び吐かせる事。 既に症状が出たものに対しては、保温や周囲の刺激に気を付け、やはりできるだけ早く病院で治療を受ける事です。
最近、「仔猫を拾った。」方が多く来院されているのは、先日も書きましたが、今年はとにかく異常に多い。
今も、調子の悪い仔猫を2匹預かっています。 1匹は、ひどい衰弱で、身体を支えるのもやっとの状態でしたが、昨日当たりから、なんとか少しずつ自力で食べられるようになってきました。
もう1匹は、元気や食欲はあるのですが、何かの動物(他の猫、犬、カラス?)に咬まれたのでしょうか、食道に穴が開いています。 そこから食べたものが漏れ出してくるので、食道に沿ってグチャグチャになり、あちこちの皮膚が破けて膿が出ている状態です。 食道の穴を見つけ、縫い閉じる事はとてもできそうにありません。 鼻からカテーテルを通して、流動食を給餌しています。 食道からの漏れがなくなれば、少しずつ食道の穴が塞がっていくと思います。 持久戦になりそうです。
実はこの仔猫を保護された方には、どうしても飼う事ができない事情があって、里親を探していました。 でも、この状態では・・・ でも、この仔猫は、すごく性格がよくて可愛いので、良くなったら一緒に里親さんを探そうと思います。
興味深い犬種が、柴です。 手術後、麻酔から醒める時に、一番騒ぐのも、手術創に貼った絆創膏を気にして、少し動いただけでも悲鳴を上げるのも、ご飯を食べなくなっちゃうのも、傷の消毒だけでも、殺されそうな声を出すのも、殆どが柴。 他の犬種でも、たまにはいますが、圧倒的に柴。
まるで、注射されるときの子供みたい。 痛みに弱いと言うよりは、多分、純粋なんでしょうね。 残念ながら時々、そんな一面が、好ましくない方向に出てしまっている柴を見かけます。 神経質で、扱いが難しく、すぐに噛み付くような・・・
でも、嫌いなわけではないんですよ。 思わず抱きしめたくなるような、お日様の匂いがする、可愛い子が多いのも柴ですから。
VTさんといえば、思い出すのは、アメリカに留学(本当はそんな立派なものじゃないんですが・・・)していた頃にお世話になったフィオナ。 まさに、プロフェッショナル。 自分が居候のように入り浸っていた、ケンタッキー、レキシントンにある、老舗の大きな馬の診療所「Hagyard-Davidson-McGee」の外科でVTをしていた女性。 お世話になったのは、もう10年以上前になりますが、今でも現役でバリバリやっているようです。 その仕事量たるや、とにかく半端ではない。 しかも質が高い。
当時、外科には3人の執刀医がいて、日替わりで手術を担当していました。 手術の大小はありますが、1日に20件近くもの手術をこなします。 外科医の先生は個性的で、神経質、細かな所にこだわる人が多く、実際、その診療所の3人の先生も、手順、術式、器具、立ち位置等、バラバラでした。 フィオナは、それぞれの先生に合わせて、木目細かい対応をしていました。 手術が遅くなり、夜中に手術室の掃除を手伝っていると、「これは私の仕事だから、あなたはもう帰りなさい。」と声をかけてくれました。 自分が一番働いてるのにね。 とにかくすごいVTさんでした。
動物看護師あるいは動物看護士。 VT(Veterinary Technician)あるいはAHT(Animal Health Technician)とも呼ばれます。 ヒト医療での看護師さんとは異なり、国家認定資格ではないので、現在の資格は、あくまで特定の団体が独自に認定したものにすぎません。 従って、その立場は不安定で、充分に保証されてい無いのが現状です。 自分は、VTさん達は単なる獣医師の助手ではないと思っています。 動物病院の中で獣医師とVTさんは両輪として、並行して進んでいく立場だと思います。 自分が開業前にお世話になった、”王禅寺ペットクリニック”は、まさにそんな感じでした。 VTさん達の技術、モチベーション、努力・・・自分は、VTさん達に育ててもらったと感じています。
例えば「急性腎不全」。 再発を含め、完治する可能性は低い。 でも、早急に集中的な治療を始めないと、助からない。 治療がうまく行ったとしても、腎臓が機能を回復するまでには数週間かかる。 長期間に亘る、入院治療。 治療費もかなり高額になる。
このような場合、飼い主の方と充分に話し合うのは当然ですが、自分としてどのようなスタンスに立つか、いつも悩みます。 「これは殆ど治りません。」と突き放してしまえば、飼い主さんは治療する意欲を失って、助かるものまで死なせてしまうかもしれないですし。 「必ず良くなるから、頑張りましょう。」では、飼い主さんに過度な期待を抱かせ、精神的、金銭的にかなりの負担をかけてしまうことになります。 何週間も治療したのに、結果的に亡くなってしまうと、飼い主さんの落胆、負担は、半端ではないし、自分自身も、疲労と虚脱感で数日間は使い物にならなります。
最近、「猫を拾った。」と来院される方が多い。 「健康診断をして欲しい。」「世話の仕方を教えて欲しい。」「ワクチンを打って欲しい。」「里親探しを手伝って欲しい。」いずれにしても、その仔猫たちは良い人に拾われたラッキーな猫である事は間違いない。 今はガリガリでノミだらけだったり、目ヤニや鼻水で顔がくしゃくしゃであったとしても、すぐに綺麗になる。 でも、その何倍もの仔猫が、人知れず短い一生を終えている。 無責任なヒトにもかなり責任がある。 先日、ある女性の飼い主さんから「猫だって避妊手術なんてしたら、○○○もできなくて、ストレスが溜まるんじゃないの?」と言われた。 さすがに、すぐには返す言葉が無かった。
アゴのスペースが狭い、小型犬の、特に犬歯に多い乳歯の遺残。 写真では向かって左側の尖って反っている方が乳歯。 多くは、生後7~8ヶ月で抜けてしまいますが、このように永久歯に押さえつけられて抜けないケースがあります。 教科書には「永久歯の萌出に問題が起こる前に、乳歯を抜歯しなさい。」と書いてありますが、1歳近くになって自然に抜ける子もいるし、実害がそれ程大きくない事もあって、自分は、乳歯の抜歯だけの為に麻酔をかける事に積極的ではありません。 ただ、この乳歯が残ると、咬み合せが悪くなりますし、食べかすが残り、歯垢、歯石が付き易くなり、歯周病を増悪させてしまいます。
残った乳歯を抜くタイミングとして、避妊、去勢の手術時と、歯垢、歯石の除去時をお勧めしています。 特に、避妊、去勢は5、6ヶ月で実施する事が一般的になりつつあり、評価、抜歯をするには良いタイミングだと思っています。
写真は、ちょっとピンボケですが、「東洋眼虫」です。 1cm程のこの寄生虫を、なぜか最近よく見つけます。 先日診たワンちゃんは、左右の眼から50匹以上摘出しました。 写真はその時の物です。 この寄生虫は、ある種のショウジョウバエが中間宿主となって犬、猫、ヒトなどの眼に運ばれ、寄生し、結膜炎を起こします。 治療は、地道に一匹ずつ取り出していかなければなりません。 教科書には「眼科用局所麻酔薬を点眼し、数秒間、眼瞼をマッサージした後、瞬膜を反転する。 虫体は麻痺して動かないので、ピンセットで容易に摘出できる。」とあります。 教科書は簡単に言ってくれますが、虫体は動かなくても、犬や猫は嫌がって暴れますよ・・・
最近、毎日のようにスケーリング、ルートプレーニング等による歯石除去をしています。 先日は、飼い主さんが歯科医師の方で、「見学させて貰ってもいいですか?」と・・・ お断りする理由も無く、やや緊張しながらの処置になりました。 歯科医師の方であれば、スケーリングなどの技術は間違いなく自分より上ですからね。
スケーリングやルートプレーニング、抜歯。 ヒトの場合との最大の違いは、全身麻酔が必要になることでしょう。 全身麻酔に先立っては、やはり血液検査をしますし、それなりに費用もかかってきます。 「歯石を取るのに全身麻酔?」そう感じる飼い主さんも多くて、一番のネックになっているように思います。 でも、「はい、アーンして。」と言って、素直にアーンしてくれるワンちゃん、ネコちゃんもいないですからねぇ。
あまり意識されてはいませんが、フィラリア予防薬は「要指示医薬品」です。 薬事法の改正で、人体薬については「処方せん医薬品」と呼ばれるようになり、「要指示医薬品」と言う分類は無くなっています。 呼び方はともかくとして、これらの医薬品は「医師等の診断に基づいて適切に使用されなければ、安全・有効に使用できない医薬品」「定期的な医学的検査を行うなど、患者の状態を把握する必要がある医薬品」「本来の目的以外に使用される恐れがある医薬品」、以上の3用件のうち、少なくとも1つ以上満たすものと規定されています。
当院では、毎年、シーズンの初めに健康診断をして、フィラリアの寄生が無い事を確認した上で、お薬をお出ししています。 本来、そう言うお薬ですから。
4月は腸疾患、特に腸閉塞が目立った。 恐らくは、ゴム製のオモチャの破片と思われる異物による閉塞。 異物、重積、腫瘍等は見られないのに、全く腸が動いていない機能的な閉塞。 閉塞とは違うけれども、小石を多量に飲み込んで、結腸便秘。 等々・・・ 単純に「手術をすれば良くなる。」と言うわけでもなく、内科的な治療に反応してくれなければ、予後に期待が持てないものも多かった。 今入院しているチェルシーちゃんもそう。
こういった症例を診ると、いつも思い出すのがナリタブライアン。 彼は十二指腸に機能的な腸閉塞を起こしたのですが、馬は構造上吐く事が出来ないので、最終的には胃破裂で命を落とすことになりました。 一回目の手術の時、全く腸が縮んだままで動かない部分が一箇所確認できました。 外科的には何も出来ないまま、お腹を閉じましたが、幸い内科的な治療で回復していきました。 もし、再発する事があれば、そこの部分を使わない為にバイパスを作らないと・・・と考えてはいましたが(それは、それでかなり厳しい手術ですが)、それも出来ないまま逝ってしまいました。 いつまで経っても、忘れられない苦い思い出です。
0:00~8:00 入院中のハリーちゃん、セブンちゃんの看護で宿直。
8:00~8:30 セブンちゃんレントゲン撮影、電話報告、集合注射準備。
8:30~12:00 真田地域、狂犬病集合注射。
12:00~12:30 本日手術予定の2頭、身体検査、血液検査。
12:30~12:45 昼食。
12:45~15:00 犬の帝王切開1頭、猫の去勢手術2頭。
15:00~15:30 カルテ整理、片付け。
15:30~15:50 仮眠。
15:50~20:15 外来診察。
20:15~21:15 子供達を迎えにいって、食事、シャワー。
21:15~現在 ハリーちゃん、セブンちゃん、チェルシーちゃん看護の為宿直中。
先週からずっとこんな生活。 いつまで続くか、ちょっと不安。
今週末は子供達とサクラを見に行こうかと思っていたのですが、結局今夜も目の離せないアニーちゃんとピンキーちゃんが入院しているので、家には帰れません。 もう何週間休んでないのか、よく解らなくなってきました。 今月に入って、時間外の手術が入ることも多くて、「病院も新築したし、ここが頑張り所」と、自分を励ましてはいますけど、子供達にしわ寄せが行ってしまう事がどうにも・・・ 子供達も大した文句も言わず、顔を合わせた時は僅かな時間でも、学校であった事などを一生懸命話してくれます。 「がんばってねー!」手を振りながら帰っていく子供達を見送りながら・・・・・・
3月16日にカナダの大手ペットフード製造会社「メニュー・フーズ社」が、同社製造のペットフードのリコールをプレスリリースしました。 http://www.menufoods.com/recall/同社製造のペットフードを食べた犬や猫、約10頭が腎不全で死亡しており、2006年12月3日~2007年3月6日までに出荷されたペットフードを全て(犬用フード50品目、猫用フード40品目)リコールすると発表しています。
現段階では調査中ということで、原因物質、フードとの因果関係等についての発表はありません。
日本ヒルズ・コルゲート株式会社(ヒルズ)
アイムス・ジャパン株式会社(アイムス・ユーカヌバ)
レッドハート株式会社(ニュートロ/ナチュラルチョイス)
等メニュー・フーズ社に委託製造しているフードメーカーは沢山ありますが、今回問題が起きているのは、北米輸出向けのもので、日本輸出向けとは別ラインのようです。 従って、各メーカーは日本国内流通向けの製品については問題ないとの発表をしています。 ただし、通販などで北米向け流通品を個人輸入、並行輸入している方も多いようですから、それらについては自己責任で製造年月日の確認をした方が良いと思われます。
この手の情報は、いつものことながら、自分達獣医師にすらリリースが遅く、情報が少なくて、ともすれば見逃してしまいがちです。
春休み、夏休み。 正直、憂鬱。 診察に子供達がついて来るから。 診察台の上の犬や猫にやたら手を出す、問診や説明の途中に割り込んでくる。 動物達は落ち着きをなくす。 飼い主さんも子供に気を取られて、説明を聞いていない。 説明するこちらも子供に気を取られて診察に集中できない。 自分が子供のとき「大人の話に割り込んではいけない」とよく叱られた。 その様に、子供に注意する飼い主さんは殆どいない。 自分もイライラしているし、動物達はバタバタするし、ちゃんとした診察はできない(修行不足・・・)。 別に子供だけの問題ではない。 中学生、高校生、大人になっても診察の妨げになる人達は沢山いる。 勿論、その反対もある。 「何をするんだろう?」「何でそうするんだろ?」キラキラした目で一生懸命見つめている子供達もいる。 診察を邪魔しない、質問したいのを我慢している子供達には自分から話しかけたくなる。 不思議に思う事にはできるだけ答えてあげたい。 「この差は、一体なんだろう?」
昨日避妊手術をした猫は、既に妊娠していました。 まだ体長1cmにも満たない胎仔が7頭・・・。 残酷だと感じる方も少なくないだろうと思う。 ただ、この猫はノラで、殆ど触る事もできない。 面倒を見ている方がやっと捕まえて、手術に連れて来られた。 「これ以上、可哀相な仔猫を増やさないように。」と、奇特にも面倒を見ている全てのノラちゃんの去勢、避妊をされている。 こちらとしても、命の芽を摘み取る事が本意ではないけれど、これは仕方がないと思う。 せめて、しっかり供養してあげたい。
一昨日は、帝王切開をした。 こちらは、胎仔を生かす為の手術だ。 両者のギャップの大きさに、ちょっと複雑な気分だった。
最近は鳥やハムスター、モルモットなど所謂「エキゾチック・アニマル」の診察依頼も多くなりました。 大都市圏では、エキゾチックを専門に診ている動物病院もあります。 当院としては、「来るものは拒まず。」と言う姿勢で望んでいますが、その扱いも含めて特別な知識を必要とする領域なので、その都度専門医の先生と連携を取りながら診察しています。
ただ、爬虫類、両生類についてはどうも・・・正直に言いますと、ヘビには触れません。 子供の頃は全然平気だったんですよ。 学校机の引き出しの中に小さなヘビやカナヘビを入れていたくらいですから。 それが、気が付くといつの頃からなのか、全く触れなくなっていました。 別にきっかけは無かったと思うのですが。 恐くて触れないヘビの診察は・・・厳しいです。
今日、電話で「そちらでQ熱の血液検査できますか?」との問い合わせがありました。 「なぜQ熱?」と不思議に思って話を聞いてみると、昨晩のテレビで「風邪だと思っていたら、実は猫から感染したQ熱だった。」と言う症例が紹介されていたのだそうです。 Q熱は"Coxiella burnetti”と言うリケッチアによって起こる人畜共通伝染病です。 現在、日本では商業ベースで「Q熱」の血液検査はしていないと思いますので、検査するとなれば、大学などの研究機関、保健所などの公的機関に依頼する事になります。 確かに、可能性が無いわけではありませんが、まず御自身が病院できちっとした診断を受ける事が第一なのではないでしょうか。 もし、Q熱だと診断されれば、その感染源として猫が疑われる、と言うことになるかもしれませんが・・・
日本の獣医療において、Q熱はマイナーな感染症です。 なぜなら、感染した犬猫の多くは、症状を示さない不顕性感染で、治療を必要としないものが殆どだからです。 ヒトへの感染についても、「口移しや、同じ食器で食べ物を与えない。」「動物に触った後は手を洗う。」至極当たり前のことをしていれば、特別騒ぎ立てる感染症ではないと思います。 それよりも、むしろこう言った”特別な例”の為に猫が悪者にされる事の方が心配です。 今話題の”あるある”じゃないですが、テレビの影響力って怖いなぁと感じます。
今日は、手術のスタートが遅れてしまったせいもあって、休診時間内で手術を終わらせる事ができませんでした。 そのせいで何件かの外来と電話でのお問い合わせの方にご迷惑を掛けました。 新しい病院の建設工事をお願いしている、宮嘉組さんも3時間近く待たせてしまいました。 臨月の奥さんがいて大変な時期に、遅くまで申し訳ありません。
そんなわけで、秋田犬のエリちゃんはまだ5歳ですが、昨年他院で乳腺腫瘍の摘出手術をしており、再発した今回が2度目の手術となります。 前回切除した乳腺での再発なので、増生した血管が通常とは違う位置に走っていて、それらの結サツ、切除に随分時間が掛かってしまいました。 比較的若令での腫瘍は、進行も早く、悪性度も高い傾向があります。 多少麻酔時間が延びても、片側の乳腺を全摘出する事にしました。 エリちゃんは、無愛想ですがとても優しい子で、飼い主さんも本当に可愛がっておられます。 再発の無い事を心から願います。
言葉として定着してきたのでしょう。 最近は、飼い主さん側から「セカンドオピニオン」を求められる事が増えてきました。 「他の病院に掛かっているが、一向に良くならない。」「今の治療には、ものすごくお金が掛かる。」「他の先生には、もう手の施しようが無いと言われた。」等、各々の方がもっと別の方法は無いのか?と尋ねて来られます。 セカンドオピニオンを求める事は、飼い主さんにとって当然の権利です。 こちらも出来る限り無い頭をひねりますが、残念ながら、常に別の方法、より良い方法を提示できるわけではありません。 そんな時は、更に詳しい先生に相談したり、直接紹介したりするようにしています。
最近の傾向として、E-メールでセカンドオピニオンを求められるケースが増えています。 診察もせず診断を下す事自体、問題だと思いますが、メールの限られた文面から、実際に診ておられる先生の診断に意見を言うなど、本当におこがましい行為だと思います。 電話やメールでのお問い合わせは、あくまでも「相談」と考えていただきたいです。 「セカンドオピニオン」をお求めであれば、やはり実際の診察が必要です。
昨日ブログに書いた「名前の無い猫」は、残念ながら今朝早く、名前の無いままに息を引取りました。 交通事故も感染症も野良として生きて行く猫にとって、常に晒されているリスクではありますが、残念です。 こちらも気持ちをリセット、リセット。
今日、初めて来院された飼い主さんは、「今日避妊手術してもらいたいんだけど」と暴れる猫を抱きかかえて病院に入ってこられました。 緊急以外、麻酔をかけての処置は、事前の予約をお願いしていますし、今日はすでに予約が入っていたので、今日は予約をしていただいて手術は改めて後日にとお願いしました。 日程を決めて帰られたのですが、しばらくすると戻ってこられて「車の中に猫がいないんだよ~。 この辺で見かけなかった?」・・・っと。 まだ、車の中のどこかに身を潜めているのか、ドアが開いた隙にどこかでするりと逃げ出したのか? 犬は逃げ出すと、これ幸いにタッタカターと走り去っていきますけど、猫は知らない場所で逃げ出しても、最初は物陰に隠れてじっとしているはず。 病院の回りも、物置やエアコンの室外機の下、や裏を覗いて回りましたが見当たりません。 見付かると良いのですが・・・どなたか病院の周りでサバトラの猫を見かけたら教えてください。
事あるごとにお願いしていますが、猫をお連れになるときは、キャリングケースや洗濯ネットなどを使用して下さいね。
年に数匹ですが、身体にガムテープやネズミ捕り(ネズミホイホイ?)の粘着剤をべちゃーっとくっつけた猫が来院します。 笑っちゃいけないんですが、その姿はまさに哀れ。 どこで何をしてきたのか猫に直接聞いてみたいです。 しかし、笑ってもいられません。 直接命に関わるわけではなく、病気でも怪我でもありませんが、かなり時間と手間の掛かる処置になります。 必要に応じて毛を刈り、オイルなどを使ってそぎ落とし、シャンプーをして・・・数時間を要する事もあります。 しかも、殆どの猫達はシャンプー嫌い。 興奮している猫達が処置の間じっとしてくれているわけもなく、必要に応じて鎮静剤や麻酔を使ったり、結構大変なのです。
ガーデニングを楽しまれている方にとって猫はある意味天敵。 自分も土をならして種をまいた途端、うちの猫にトイレにされてしまって、ザッザッと掘り返された経験があります。 このベタベタ粘着剤を取る良い方法を探していろいろ調べていたとき、このネズミ捕りを猫対策グッズとして推奨しているホームページもあったくらいです。 確かに、怪我をさせたり危害を与える方法ではないですが、できれば何か別の方法を考えていただきたいです。
さて、いざ家の猫がベタベタになって帰ってきたらどうしましょう? ご自分で何とかしようと言う時は、ベビーオイルやサラダオイルなどをつけて、歯ブラシなどでとにかく、ひたすら根気よく取って下さい。 最後に、オイルを洗い流す為にしっかりシャンプーして、しっかり乾かしてあげてください。 病院に連れてこられる時は、触るのも大変ですから、とり合えず小麦粉などをまぶしてベタベタ感を取ってお連れになるといいと思います。 中途半端にシャンプーしたり、はさみで毛を刈る時に皮膚を切って、あわてて連れてこられる方が多いので、できればそのままお連れ頂いた方がその後の処置がし易いです。 以前、灯油で洗ってから連れてこられた方がいましたが、皮膚はボロボロになり、中毒を起こす事もありますから、有機溶媒を使うのは止めた方がいいですよ。 毛に絡んだ粘着剤を、簡単に、安全に取る方法をご存知の方は、是非教えてください。
病院と自宅が離れているので、24時間点滴が必要とか、要看護状態の入院患畜がいる時は病院宿直になります。 一症例に1週間、10日間掛かることもありますが、一端宿直し始めると不思議と次から次に入院患畜がやってきます。 仕事の間、実家で面倒を見てもらっている子供達を迎えに行くついでに、シャワーを借りて、朝食を買って病院にもどる。 その1、2時間以外をひたすら病院で過ごす生活が何日か続くとさすがに精神的にはどよ~んとしてきますね。 愚痴っても仕方ないことですけど。
それはそうと、ジンクスと言いますか、同じ疾患がなぜか続けて来院します。 昨日、一昨日のような尿道閉塞、交通事故の他にも子宮蓄膿症や帝王切開などは不思議と続きます。 発情期などは大体似たような時期ですし、考えればそれなりに要因は考えられますけど、「またぁ?」ってことがよくありますね。
実際は1年を通して来院はあるのですが、特に冬場に多く感じられる病気に「猫下部尿路疾患」があります。 下部尿路とは膀胱と尿道を指し、膀胱炎、尿路結石などの病気の総称が下部尿路疾患になります。 実は、この猫下部尿路疾患の原因の約60%は特発性と言われています。 ちなみに特発性とは”原因がよくわからない”と言う意味です。 勿論、特発性とは言っても、その原因はいくつか考えられていて、そのひとつにストレスが挙げられています。 多頭飼育、食事の変更、環境の変化、生活パターンの変化、飼い主さんの必要以上のちょっかい、物音等考えられるストレスは沢山ありますが、冬にこの病気が多いと言うのは、猫にとって冬の寒さそのものが大きなストレスなのかもしれません。 寒くなると猫はコタツで丸くなるわけですから、運動不足と肥満になる、水をあまり飲まなくなる、おしっこを我慢するようになるなど下部尿路疾患のリスクが高くなる要因満載です。
猫下部尿路疾患は食事療法、抗生剤、止血剤などの投与で殆どの場合治癒しますが、特にオスでは尿道閉塞を起こすことがあります。 そのままでは尿毒症、腎不全等で命を落とす事になりますので、一刻も早く尿道を確保して、点滴などの補助的な治療が必要になります。 オシッコに血が混ざる、トイレに何度も行くのにオシッコが出ていない、やたらあちこちでだらだらとオシッコをする。 おうちの猫ちゃんにそのような兆候が見られたときは、早めに動物病院に連れて行ってあげてください。
昨年末は、大晦日の紅白歌合戦が始まる直前まで仕事をしていました。 実際には、大晦日の晩もそのまま仕事をする覚悟をしていたのですが、思いがけなく家に帰れることになりました。 ただ、結果としては、良くなったわけではなく、亡くなってしまったわけでもなく、単純に治療中止、退院と言うことで、非常に後味の悪いものになりました。 クリスマスプレゼントに仔犬・・・本当なら絵に描いたような幸せなシチュエーションだったはずなのに、飼い主さん、ペットショップ、そして自分も含め誰にとっても気分の悪い結末。 詳細をここに書くことは控えさせて頂きますが、相手が生き物である以上、それが何であれ、どうであれ一番に優先されなければならないのは当の仔犬であるべき。 改めて考えさせられた年末年始でした。
先日、17歳のネコちゃんをお連れになった飼い主さんに、病気の要因のひとつとして、”老齢”を挙げたところ、「うちは沢山猫を飼っているけど、みんな20歳まで生きますよ。(年のせいにしないでちょうだい!)」と怒られてしまいました。
"老齢"とは単純に年齢だけで定義されるものではありません。 同い年だと言っても、身体年齢は様々で、個体別にそれぞれ判断されるべきものだと思います。 犬や猫の年齢をヒトの年齢に換算した表などもよく見かけますが、あくまでも目安に過ぎません。 平均寿命の75~80%を経過した時点で"老齢"と定義することを提唱している研究者もいます。 2年ほど前に発表された、日本国内での犬、猫の平均寿命は、犬で11.9歳、猫で9.9歳ですので、大雑把に8~9歳からが老齢期と言うことになるのでしょうか。
17歳でも充分、御長寿さんだと思いますよ~。
レオ君は、一人暮らしのおじいちゃんが飼っていた、9歳になる柴犬でした。 おじいちゃんは、1週間前に突然亡くなってしまいました。 一人残されたレオ君は、親戚の家に引取られることになりました。 当初は元気だったそうです。 おじいちゃんのお通夜、お葬式を終え、気が付くとレオ君は自力で立ち上がることも出来なくなっていました。 抱きかかえられて病院に来たときには、どこの何の病気という以前に衰弱がひどく、「もうこれは・・・」と言う状態でした。 飼い主さんの希望で、入院ではなく通院での治療になりましたが、それも2日で終わりになりました。 新しい飼い主さんは「自分達がもっとちゃんと見てあげていたら・・・」とご自分を責めておられましたが、レオ君も以前からあまり調子が良くなかったのかもしれません。 ここ数日だけの問題だけではないと思います。 きっと、レオ君とおじいちゃんは、お互いがお互いの心の支えになっていたのでしょうね。
リックはとても気のいいゴールデンレトリバーです。 13歳になるリックは、もう立派なおじいちゃんで、身体も決して丈夫ではありません。 緑内障で既に視力も無くしています。 病院に来るときは、あちこちにぶつかりながら尻尾を振って近付いて来てくれます。 頭を撫で、抱え込むと、まず右手を差し出してくれます。 自分は左手でその手と握手しながら、問診、聴診をして全身の触診へと進めます。 そのリックが、13歳の誕生日を過ぎた頃から特に調子が良くありません。 年齢的なこと考えると、少しずつ弱ってしまうのは仕方ないところですが、早く良くなって、元気に新しい年を迎えましょう。
最近は犬のしつけに関する本、雑誌、ビデオなどの刊行物がとても増えています。 飼い主さん達の意識も高くなっているのでしょう、各動物病院も、しつけやドッグトレーニングの勉強を積極的にするようになっています。 そんな中、しつけの本などもよく読まれていて、とても勉強されている飼い主さんから「うちの子は、自分の手からしかご飯を食べてくれないのですが、このままでいいのでしょうか?」とか「うちの子は、布団に一緒に入って寝るんですけど、大丈夫ですか?」等のご相談を受けることがあります。 事故の可能性とか、考えられる悪い面、良い面を獣医師の立場でお話しすることになるのですが。 これらの問題は、飼い主さんが自分の基準で判断される問題だと思うのです。
何の為にしつけが必要なのでしょうか? ワンちゃんを家に迎えた時、「うんち、おしっこは決められた場所でする。」「無駄吠えしない」「噛み付かない」「家具を傷つけない」等々一緒に生活していく為のルールが必要になります。 ワンちゃんにそのルールを教えて守らせるのがしつけですよね。 「噛み付かない」のように社会的に共通の、最低限守られるべきルールは当然教えなければなりませんが、例えば、「家の中のどこでおしっこ、うんちをしてもいい」と飼い主さんが考えるのであれば、極端な話トイレのしつけは必要ありませんよね。 先程の、飼い主さんの手からでないとご飯を食べないワンちゃんも、傍から見ればただの甘えんぼですが、飼い主さんが毎回必ずそうしてあげられるのなら、その手間を惜しまないのであれば、どうしても治さなければならない習慣ではないと思うのです。 外出した時には守らなければならない社会的なルールがありますが、家の中でのルールを決めるのは飼い主さん自身です。 どうも、しつけがマニュアル化されて「トイレのしつけには○○」「無駄吠えをやめさせるには××」のようなテクニック的なところばかり取り上げられますが、飼い主さんがしっかりしたルールを持つことがまず第一なのではないでしょうか。
飼い主さんは時々、「ここが痛い。 と言ってくれれば良いのにねぇ。」と仰います。 確かに、診断をつける上で、本人がしゃべってくれると余計な回り道をしなくて済むでしょうね。 でも、動物達が話せたら、逆に困る事の方が多いような気もします。 一番感じていたのは、馬の仕事をしていた頃で、特に種付け時です。 サラブレッドでは、血統が命ですから、人工授精などは一切認められません。 種牡馬は、何十頭もの繁殖牝馬に種付けをしますし、特別大切にされています。 その種牡馬を事故から守る為に、種付け時、繁殖牝馬は鼻を捻られ、耳を捻られ、足を縛られ・・・・殆ど身動きできない状態に保定されます。 表現は悪いですが、殆どレイプです。 もし、馬がしゃべれたらと思うと・・・ぞっとします。
飼い主さんの中には、「犬はいいよ、うちの子供達みたいに口答えしないし、言うこと聞くし。」と言われる方も結構います。 もし、動物達がしゃべれたら、きっと現在のような飼い主とペットの関係は成り立たなくなるでしょうね。 「気安く触るなよ!」なんて言われたら悲しいですね。
大きな手術、入院が続き病院に泊り込むと、時間はあるのですがなかなか書き込みが出来ません。 頭が回らないといいますか、文章が思いつきません。 普段でも、大きな手術(自分にとっては)の予定が入ると、そのことで頭が一杯になって、他のことが考えられなくなることがよくあります。 正確に言うと、紙芝居のように手術、診察の一場面、一場面が結論の出ないまま次々に切り替わっていきます。 これって頭の切り替えが良いのでしょうか、悪いのでしょうか。 実際のところ、頭の切り替えの悪さは、この仕事には向いていない資質だと思うのですが・・・。 とにかく、今夜はキキちゃんと、ラックちゃんと、エフちゃんに切り替えながら集中です。
23日、24日と、馬の手術の為に北海道に行って来ました。 今回は本当に色々ありました。 まず、つまづき始めは23日、松本空港から千歳空港に向かう飛行機が機体不良のため、1時間以上待たされた挙句、突然欠航になりました。 塩尻駅から名古屋へ電車で約2時間、名古屋駅から中部国際空港へ名鉄線で30分。 なんとか千歳空港に着いたのは、レンタカーの営業時間ギリギリの夜10時過ぎでした。レンタカーでホテルに着いた時には、既に24日になっていました。 ビールをかーっと飲んで、思い切り寝ました。 本当は千歳空港で成田経由で来る米国人の友人と待ち合わせをして、ホテルにチェックインしたあとは、一緒に北海道の美味しいものでも食べながら、酒を飲むつもりだったのに・・・・
24日は早朝にシャワーを浴びて、やっと会えた友人と朝食をとり、手術場を提供していただく、三石の診療センターに向かいました。 4頭の内視鏡検査と、3頭の手術はスムースに進み、割と余裕を持って空港に向かいました。 「今回は天候にも恵まれてよかったねぇ」などと話しながら車を運転していると、空港に近づくにつれて嫌な雲行き。 千歳空港に着くと、雪の為に遅延、欠航が相次ぎ、空港内は大騒ぎになっていました。 自分の予約した便以降は全て欠航。 取りあえず、早い便に変更してもらったものの、いつ出発できるのか分からない状態。 何とか羽田に着いたのは、予定より2時間以上遅れた午後8時半過ぎ、モノレール、新幹線、しなの鉄道と乗り継ぎ、家に着いたのは、25日になる直前でした。 結局、北海道日帰り弾丸ツアーのようになってしまいました。 折角、北海道に行ったのに、まともな食事は、24日朝のビジネスホテルでの朝食バイキングと、手術後、空港に向かう途中でパパッと食べた天ぷらそば位。 あとは、乗り継ぎの合間にあわてて買ったお弁当。 北海道まで行って、これはあんまりでしょう。
昨日、ハトが保護されてきました。 骨折などはないのですが、立ち上がることが出来ません。 何かの感染症か、腎炎のような内科的疾患のようです。 支持療法でどこまで回復するか、取りあえずやってみましょうといった感じです。 ハトと言えば、最近は稲刈りの終わった田んぼで落穂を突っついているのをよく見かけますね。
明日23日と24日は、第二のふるさとと言うべき北海道に行って来ます。 牧場にいた頃からの年中行事のようになっている仕事です。 申し訳ありませんが、24日は休診とさせて頂きます。 24日の夜、遅くとも25日の朝には戻ります。 ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。 去年は吹雪、吹雪で馬の到着が遅れたくらいでした。 今年は雪が降らないといいなぁ。
診察室に入るなり「うちのは雑種だから、連れて来るのは恥ずかしいんだけど・・」などと仰る飼い主さんがいます。 建前ではなく、自分には雑種とか、血統書付とかどうでもいい話です。 勿論、品種によって多い病気もありますし、初めて診る時は気性の目安にする事はありますが(この犬種は咬む子が多いとか・・)。 多分、どの先生もそんなもんだろうと思います。
自分がサラブレッドを診ていた時期は、普段扱う馬自体に一頭何百万から何億円と言う値段が付いていました。 正直「何かあっても弁償できないなぁ。」と思いながら仕事していましたけど、値段によって馬を区別することはありませんでした。 馬にとって値段なんて単なる肩書きですし、自分の手で取り上げて育てた馬に優劣は付けられませんよね。 自分の子供を見る目と同じですから。
ワンちゃんにとって、品種なんてただの肩書き。 良い、悪いの基準にはなりません。
各々の動物病院の診療方針は、各々の院長によって決まります。 極端な話ですが、動物病院が10あれば、10の治療方針があると考えていただいてよいと思います。 例えば、去勢や避妊手術のようなごく一般的な手術でも、お預かりから術前検査、前処置、器具の洗浄~滅菌、麻酔、術野と手指の消毒、手術器具、手技、術後管理、薬の処方等々、材料や方法、そしてそれらの費用を含め、全く同じ病院はないのではないでしょうか。 以前にも書きましたが、例え去勢手術とはいえ、ヒトでの手術と同じように術前検査をして、考え得る全てのリスクを排除して、考え得る最も安全な方法で麻酔をし、・・・と考えていくと数十万の手術費用になるはずです。 皆さんは、猫の去勢手術に対して数十万円を払えますか? 獣医師は各々の経験や考え方からどこかに線を引いて、材料、方法、費用を決めていきます。 獣医療は完全な自由診療ですから、ヒトの保険診療のように材料、方法、診療報酬等が事細かに定められているわけではありません。 病院間の差が出来てくるのも当然です。 何を基準に病院を選ぶかは、飼い主さん次第で、自分達は選んでいただけるように努力していくしかないわけです。 そんなこともあって、自分は他院の先生の考え方や診療方針について、自分とは違うなと感じることはあっても、特に飼い主さんの前で批判、否定しないように心掛けています。 その病院を選ぶ飼い主さんがいる以上、そこで行われている治療内容がどうであれ、それはそれで成立しているわけですから、第三者がとやかく言う筋合いではないと思っています。
と、ここまで言っておいてなんなんですが、つい最近、「今時、こんなことをしている獣医師がいるの?」と一つ一つに突っ込みを入れるのもバカらしいほどの事例に遭いまして、今回が初めてでない事もあって、遠回しにでも一言言っておきたくて、こんな歯に物が挟まったような文を書いてしまいました。
今日、アオサギが保護されてきました。 地方事務所の方が連れてこられたのですが、診察が忙しくて、中身も見ずに預かってしまいました。 一息ついて、「うるさいなーこいつ」などと言いつつダンボールを開けると、これがでかい!!! 首が長い!!! 羽を広げれば1m50cmはありそうだし、首なんか殆どヘビ。 以前、家の近くで保護したアオサギは、まだ小さくてカラス位だったのに・・・ レントゲンを撮ってみましたが、トウ骨が骨折していました。 しかも、結構古い骨折で、癒合不全の為に、かなり贅骨が増殖してコブのようになっており、更に偽関節を形成しています。 季節も良かったのでしょう、飛べなくても充分餌を採れていたのだと思いますが、涼しくなり餌が足りなくなってきたせいで、少しずつ衰弱して保護された。 そんなところでしょうか? 動物園など、確実に餌が貰える所であれば、問題なく生きていけると思います。 ただ、自然に帰すのであれば、うまくいくかどうかは別として、手術が必要になります。 さて、どうしましょう?
交通事故のペロちゃんは、今日、元気に退院していきました。 ブンブン尻尾を振ってうれしそうなペロちゃんと、飼い主さんの小さなお子さん達との様子を見ると、本当に報われる思いがします。 「お家でも、3週間位は安静にして下さいね。」何度も繰り返してお返ししました。
第三眼瞼腺が突出して、炎症の為に肥大したり、赤くなったりすることを俗に”チェリーアイ”と呼びます。 第三眼瞼腺を引っ張っている結合組織帯が、先天的に弱かったり、発達しなかったりすることが原因と言われています。 昨日手術したラックちゃんはチワワですが、ビーグルやブルドック、コッカースパニエル、ペキニーズ等、下瞼が緩い犬種に多く見られます。 長い間、一般的に行われてきた手術は、第三眼瞼腺そのものを切り取ってしまうものでした。 確かに、取ってしまうわけですから、再発はなくなります。 ただ、第三眼瞼腺は眼の表面を覆う、涙膜の約半分を分泌していると言われており、この手術によって所謂ドライアイを起こしてしまう恐れがあります。 自分は、特別にリクエストが無い時には、第三眼瞼に切開を入れ、第三眼瞼を埋め込むように縫い合わせる、ポケット法を行っています。 ちょっと手間が掛かりますし、再発する可能性があったり、落ち着くまでに時間が掛かる方法ですが、切り取る事はいつでもできるわけですから。
現在、交通事故に遭ったペロちゃんが入院しています。 レントゲン、超音波で横隔膜が破れ肝臓、胃、その他もろもろが胸腔に入り込んでいました。 病院に運ばれて来た時には、ショック状態でした。 横隔膜ヘルニアの場合、受傷後24時間以内での手術では死亡率が高いことが知られています。 まずは、体全体のコンディションを整え、安定した状態にする事が第一となります。 ですが、胃が入り込み、嘔吐を繰り返す以上、手術を延ばすわけには行きませんでした。 開腹すると、横隔膜の左半分のうち約2/3が胸腹膜から剥がれ、そこから中心に向かって大きく裂けていました。 いつものように「あー、俺にもう一本手があれば・・・・」などと叫びながら、縫合に邪魔になる胃や肝臓を押さえつつ縫い進めていきました。 胸腹膜へは肋骨に縛り付けるように縫い付けました。 胸腔の空気を抜き、空気の漏れがないか確認しました。 膵臓の周囲で出血があったようで、腸間膜に血腫がありましたが、幸いその他の臓器には特別問題はないようでした。
手術から約30時間が経ちました。 まだまだ予断を許さない状況ですが、現在状態は安定しています。 家に戻れない状況となって3日目、寝不足で、結構ばててはいますが、ペロちゃんが手術を乗り越えてくれた以上、元気にお家に帰してあげたいです。
外傷、腫瘍等で止むを得ず、眼球を摘出しなければならないケースがあります。 一昨日手術したマコちゃんは、慢性の緑内障でした。 緑内障には、他にも内科的、外科的にいろいろな治療法があります。
ですが、それらの全てが一時的なもので、殆どのケースで再発や合併症が起こります。 既に視力を失い、痛みのある緑内障に対して、自分は眼球摘出を第一選択としてお話しています。 それは、この手術によって、数時間後にはそれまでの痛みから解放され、しかも再発の心配が無いからです。 とは言っても、飼い主さんの立場で考えると、一番選択したくない治療法だろうと思います。 実際、どうしても、手術に踏み切れない飼い主さんが沢山います。 気持ちは良く分かります。 確実に痛みが取れることは分かっていても、その代償として、眼球を失ってしまうわけですから。 手術後、愛犬・猫の顔を見た時、飼い主さんは、例外なく「可哀相」と言う気持ちそのままの悲しい顔をされます。 ですが、緑内障はかなり痛いのでしょう、手術後すごく元気に、活動的になる子が多いようです。 「もっと早くにしてあげればよかった。」とおっしゃる飼い主さんも少なくありません。 飼い主さんの気持ちを考えると、合併症の危険は高くなりますが、義眼を入れる手術を、もっと検討したほうが良いのかも知れません。
この時期ならではと言いますか、今日、急患で運び込まれ、現在入院中のシェルティーは、どうやらきのこ中毒のようです。 これは土地柄と言いますか、「リンゴとお弁当の残りを与えた40分ほど後に、突然吐き出して、よだれが止まらなくなり、立てなくなってしまった。」とのことでした。
ただ、この飼い主さんの偉い所は、吐いたものの中に何かのきのこが混ざっている事に気が付いていた点です。 嘔吐、よだれ、徐脈、不整脈、血圧低下、虚脱、失禁、瞳孔縮小・・・何かの中毒だろうけど・・・運び込まれてから、ずっと気になっていた”きのこ臭”。 おーっ、辻褄が合いました。 既に吐いてはいましたが、簡単に胃洗浄をして、アトロピンを筋注し、点滴を始めました。 現在、症状は治まり、落ち着いています。 先程から、活性炭を溶いた水を飲んでくれるようにもなりました。 再発がないかどうか、他のきのこによる症状が新たに発症しないか、今晩は入院してもらって様子を見ています。
日本での毒キノコは、5タイプ(A~E)、8グループ(第1~8)に分類されるそうです。 今回のきのこ中毒は、どうやらBタイプ、第4グループに分類されるアセタケ類、カヤタケ類などによるもののようでした。 特にきのこに詳しいわけでもないので、どんなきのこかなのか姿は思い浮かびませんが、ムスカリン作用を発現するこれらの中毒は、摂取から20分~2時間ほどで発症し、ヒトでの致死量は180mgと推定されています。 アトロピンが効いた事をみても、まず間違いないと思います。 あとは、他のきのこを食べていないことを祈るのみです。
最近、「仔猫を拾いました。」と病院にこられる方が、とても多くなりました。 その殆どが、まだ手のひらに乗るような、新生仔たちで「うまくオシッコとウンチをさせられない」との相談も多いです。 この時期の仔猫は、人間の赤ちゃんを育てるのと同じように、とても手が掛かります。 「とにかく頑張ってください。」と励ますのみです。
基本的に、仔猫を拾って、育てて下さる飼い主さんたちは、猫好きで優しい方ばかりです。 そして、既に猫を飼っている方が殆どですが。 その中には、新たに仔猫を迎える準備が出来ている方と、そうでない方がいます。
Aさんは、ワクチンは勿論、まだ充分普及しているとは言えない、フィラリアの予防もしている飼い主さんです。 「栗の木下に丸まっていたので、大きな毬栗だなぁと思ってよく見たら仔猫だったんですよ。」と笑いながら連れて来られました。 既に飼っているネコちゃんもいるので、猫白血病ウイルス(FeLV)と猫免疫不全ウイルス(FIV)の抗体検査をして、ノミ、ダニの駆除剤を付けて帰られました。
Bさんの飼っているネコちゃん達は、残念ながらワクチン接種を受けていません。 「子供が拾ってきてしまって。」と2匹の仔猫を一生懸命に世話をしているようでした。 数日後、「1匹の仔猫は吐き、下痢の後、あっという間に死んでしまって、この仔も今朝からぐったりしてます。」とのこと。 パルボウイルスの感染症などが考えられること、特に仔猫では、助からないことも多いことを説明し、点滴などの支持療法をしました。 聞くと、いままで飼っていたネコちゃんも下痢、吐きがあるとのことでした。 多頭飼育では、特に感染症が問題になります。 特に、外部から新しい子が入った時には、感染症が持ち込まれることも少なくありません。 感染の予防処置だけは、しっかりしておきましょう。 せっかくの優しさが、仇になってしまわないように。
先日のブログにも書きました、交通事故にあったと思われる2匹の仔猫のその後です。 しばらく入院していた小さい方の仔猫は、やはり全身的なダメージが大きく、助けてあげることが出来ませんでした。 とても良い方に保護されていたので、本当に残念です。
もう1匹の仔猫は、幸いすぐに元気になりました。 しかも、自分達にもすぐに馴れて、ゴロゴロと擦り寄ってくる可愛らしい性格の仔猫でした。 保護してくれた高校生の男の子が、「自分で飼います。」と言ってくれていたので、連絡を取ると「実は、妹が猫アレルギーで、両親に猫は飼えないと言われてしまって・・・・他にもらってくれる人いないですか?」との返事。 おいおい話が違うぞ、と思いながら「探しては見るけど、君も里親を探してみてね。」と電話を切りました。 以前、頼まれていた方を思い出し、電話をしてみると「今、家にいるワンちゃんとうまくやっていける子なら、是非。」との答え。 近日中にそのワンちゃんと面接することになりました。 その電話を切って間も無く、キャットフードに猫砂、ミルクまで用意して、保護してくれた男の子がやってきました。 「両親が、『里親を見つけるまでの1ヶ月なら、仔猫を家に置いてもいいよ。』 と言ってくれたので・・・」本当にいい子なんだなぁ、と感心しましたね。 しかも、「里親が見つかるかもしれないから、もう2,3日預かってもいいかな?」と聞くと、「あまりお金が無かったんで、たいしたフードは買えなかったんですけど、これ使ってください」とフードや猫砂を差し出してくれました。 クーッ、今時珍しいいい子だ。
その翌日、里親になるべく、同居することになるゴンタ君を連れた飼い主さんがやって来ました。 さすがに仔猫も、最初はしっぽをでっかくして、フゥーフゥー言ってましたが、しばらくするとすっかりリラックスして、里親の方にもすっかり気に入ってもらえました。 やっぱり、性格のいい子は得ですね。 早速、仔猫を家に連れて帰られました。 保護してくれた男の子も、とても喜んでくれて、めでたし、めでたしです。
いい人に保護されて、いい人に貰われて行ったあの仔猫も、性格のいい、可愛らしい猫でした。 やっぱり巡り合わせでしょうね。
昨日に引き続き、ワクチンの副作用についてです。
副作用の出やすい犬種としては、ミニチュア・ダックスが断突で飛び抜けていて、発症例全体のおよそ半数を占めます。 次いで、トイ・プードル、チワワ、マルチーズ・・・・と続きます。 これらのワクチンの副作用好発犬種は、同時に最近の人気犬種と重なります。 2005年JKC(社団法人ジャパンケンネルクラブ)の登録頭数では、ダックスフンドが全体の約25%、チワワが約15%、プードルが約10%を占めています。 頭数が多いわけですから、副作用の発症報告数も多くなるのは当然と言えば当然ですが、接種する側としては、それなりの準備と心構えをしておかなければいけません。 また、それをキチンと飼い主さんに説明し、ワクチン接種をできるだけ午前中にとお願いしている理由を理解していただこうと考えています。
診察時間終了ぎりぎりに、「ワクチンをお願いします。」と来院される方が結構います。 仕事を終えて、診察時間に間に合うように、急いで連れてこられたはよく分かるのですが、出来るだけ日を改めていただくようにお願いしています。 と言うのは、ワクチンに対する副作用が心配されるためです。
ワクチンの副作用として、いくつかの症状が挙げられますが、最も発生率が高いのがムーンフェイスと呼ばれる顔面の浮腫、蕁麻疹などのアレルギー・蕁麻疹症状です。 次いで、下痢、嘔吐、食用不振などの消化器症状。 そしてアナフィラキシー・ショックと呼ばれるショック症状などです。 特に、アナフィラキシー・ショックについては、処置の遅れが命にかかわるケースも少なくありません。 そして、それらは通常ワクチン接種後およそ6時間以内に起こります。 診察時間終了ぎりぎりにワクチンを接種した場合、発症した副作用への対応はどうしても遅くなります。 最悪の場合、処置が間に合わない事もありますし、飼い主さんが発症に気付かないケースも考えられます。
そう言った訳で、当院では、ワクチン接種をできるだけ午前中にとお願いしています。
2004年度に、人間の患者が診療を受けた後に、医療費を支払わない未払い金が、全国3058病院で218億円だそうです。 1病院当たり約700万円!!!! 経営規模が違うとはいっても、もし”あきやま動物病院”でそんな事態に陥ったら、冗談抜きにやってはいけません。 しかも、失業者の増加で、支払いたくても支払えない方が増えているだけでなく、支払えるのにもかかわらず、あえて支払わない、とんでもない連中が増えているのだそうです。 うちは、飼い主さんに恵まれているせいか、未収金はそれ程多くないとは思います。 でも「毎月少しずつでも必ず支払います」「支払いは来月でもいいですか?」と言いつつ、それっきり連絡もなし。 そう言うケースは確かにあります。 経営的な部分で、「未収金は痛い」と言うのは勿論ありますが、それよりも、1週間、10日間、24時間付きっ切りで世話をして、その対価が未収金と言うのは、本当に傷付きます。 一生懸命やった自分が、鼻で笑われているようで、本当に寂しい気持ちになります。 でも、それとは真逆の、頭の下がるような飼い主さん達も沢山います。 自分は、そう言う飼い主さんの為に頑張ろうと思います。
診察中に飼い主さんから、「先生もお気の毒ですねぇ」と言われました。 何のことかわからず、「は?何がですか?」と聞くと、「元々は、動物が好きなんでしょうに、動物に嫌われる仕事ですもんねぇ」との答え。 何をもって、飼い主さんがそう思ったのかよく解りませんが、自分自身でそのように感じたことは無いのですが・・・
確かに、病院は喜んでくる所ではないでしょう。 自分だって病院、歯科医院に行く時は、少なからず緊張してます。 慣れない所に、急に連れて来られて、高い台に乗せられて、見知らぬ人にあちこち触られて、緊張しないわけがないとは思います。 でも、待合室から診察中までずーっと「○○ちゃん、こわいの?」「大丈夫だからね」「あぁ、可哀相」と話しかけている飼い主さんが時々います。 病気を予防したり、治したりする為に病院に来ているのに、「可哀相」はないでしょう、と思いますが、同時に「信用されていないんだなぁ」と寂しく感じます。
その反面、「うちの子は、先生が好きみたいで、『先生のところに行くよ』と言うと、すごく喜ぶんですよ。」と言って頂く事もたまにあります。 当のワンちゃん、ネコちゃん達が、本当に自分を好いてくれているのかは、正直解りませんが、素直にうれしく感じます。 先日も、しばらく入院していたワンちゃんが退院する時、飼い主さんが、その子を抱き上げようとすると、「えっ?」と言う顔でこちらを振り返りました。 不思議ですが、「帰っていいの?」と聞かれたような気がしました。 頭をなでてあげると、うれしそうに飼い主さんに飛びついて行きました。 そんなに、気の毒な仕事ではないですよねぇ?
飼い主さんから頂いた、お手紙を読みながら、色々なことを考えました。 こういう仕事ですから、命が生まれる瞬間に立ち会うこともあれば、死に立ち会うこともあります。 「本当にありがとうございました。」と言って頂ける事もあれば、納得できないまま帰られる飼い主さんを、ただ見送るだけしかできない時もあります。 たった今、ワンちゃん、ネコちゃんを失って、涙を流している飼い主さんに、診療代を請求しなければならない時が、最悪に嫌いな瞬間です。 「もっとやれることが、あったんじゃたいか?」、「自分の選択は正しかったのか?」自分自身も落ち込みます。 でも、落ち込んでばかりはいられません。 すぐに、他の子犬が尻尾を振ってやってきます。 後悔や反省は、必ずこの子に活かさないと、と気持ちを新たにします。 この先、何年この仕事を続けていけるか判りませんが、生や死に慣れないままでいたいです。
1回ご飯をなべ無かっただけでも、心配して来院される飼い主さん。 一方で、1ヶ月以上調子が悪く、ここ2週間殆ど食べずに、食べると吐き、下痢を繰り返していたにもかかわらず、「病院で見てもらったほうが良いですか?」と電話をかけてこられる飼い主さん。 この両極端な飼い主さんのどちらがどうという事ではなく、ペット、伴侶動物に対する考え方はそれだけ幅広いという事を1日のうちに実感しました。 もちろん、こちらの立場から言えば、前者の飼い主さんを褒めますし、後者の飼い主さんには、時に、かなりきついことを言うこともあります。 ただ、「ペットはあくまでペット」「ペットに何万円もかかる治療を受けさせるつもりは無い」と考える飼い主さんがいるのもまた事実。 こちらがベストと考える管理、治療を、受け入れてもらえるかどうかは飼い主さん次第。 押し付けにならないように、幅広いオプションを用意する必要がありますね。 でも、自分としての原則は、あくまで「縁あってかかわった命、それが犬でも猫でも、ドジョウやカブトムシでも、最後まで責任もって付き合いましょう」ですね。
HPにも書いてはあるのですが、最近、ちょっと気になるので改めてご協力をお願いしようと思います。
まず、ワンちゃん、特に室内で飼われている小型犬をお連れの飼い主の方に多いのですが。 お家にいるときと同じ感覚で、病院内に放してしまう方がいらっしゃいます。 病院に限らず、特別な場所を除いて、公共の場では首輪かハーネスにリードをつけて管理するのがマナーです。 まして、病院ではワンちゃん自身も興奮していますし、他のワンちゃん、ネコちゃんもいます。
ネコちゃんを抱っこで連れてこられる方が結構いらっしゃいます。 飼い主さんは「うちの子はおとなしいから大丈夫」と必ずおっしゃいますが、おとなしいネコちゃんでも、ワンちゃん達に吠えられればパニックになりますし、必死になったネコちゃんは、飼い主さんでも抑えることはできません。
思わぬ事故や、怪我、逃走、院内感染を防ぐためにも、ワンちゃんであれば、キャリングケースに入れる、あるいは首輪、ハーネスを着け、リードをを短く持ってお待ちいただく。 ネコちゃんであれば、やはりキャリングケースに入れるか、ハーネスを着け、リードで管理するようにお願いします。 ネコちゃんの場合、特別なキャリングケースをお持ちでなくても、100円ショップで売っているもので充分ですので、洗濯ネットに入れてお連れ頂くと、手軽で安心です。
6月は、獣医師会上小支部と管内市町村の共同出資による、バースコントロール事業の対象月となっています。 犬と猫の避妊手術に5,000円、去勢手術に3,000円の助成金を受けることができます。 最近、毎日のように問い合わせの電話が入りますが、既にびっしりと予定が入ってしまいました。 あとは、組み合わせなどを調整して行きますが、バースコントロール事業にも予算に制限があり、手術をお受けできるのはあと僅かだと思います。
そんなこともあって、13:00~16:00の休診時間は、毎日手術をしておりますので、申し訳ありませんが、午前の診察は12:30頃までに受付を済ませていただけますよう、ご協力お願い致します。 もちろん、急患はこの限りではありません。
5月中旬から、フィラリアの予防薬を取りに沢山の方が来院しています。 当院では、原則として血液検査でフィラリアに感染していないことを確認した上で、お薬を処方しています。 気温によって感染時期が変動する病気であること。 1~2日程度で体の外に排出されてしまうお薬の性質上、投薬忘れなどの影響が大きいこと。 万が一、感染のある状態で投薬されたときに、ショックなどの副作用が考えられること。 などが検査をしている理由です。 昨年改訂された米国犬糸状虫協会の「犬ならびに猫の犬糸状虫症感染の診断・予防・管理のガイドライン」でも、年1回の再検査が不可欠との指針が示されています。 とは言っても、検査なしでお薬を処方されている先生もいますし、実際「前の先生は、検査なんかしないでお薬出してくれた」と言ってこられる患者さんもいらっしゃいます。 ただ、自分は正確に体重を測って、簡単ですが身体検査をして、フィラリア感染の有無を確かめて、飼い主さんとしっかり話をしてお薬を出したいと考えています。 開業当初は、理解していただけるか不安でしたが、有難い事に、多くの方に受け入れて頂けている(かな?)と最近感じられるようになりました。 ただ、その分診察時間が長ることで、お待たせする時間も長くなっています。 申し訳ありません。 そして、ご協力ありがとうございます。

報告が遅くなりましたが、フクロウのふくちゃん2号は、翼の傷も癒え、すっかり元気になり、鳥獣保護司の方の手で無事山に帰っていくことができました。 鳥獣保護司の方の話では、放鳥後、一度お礼を言うように戻ってきて、その後山に帰っていったそうです。 診察が忙しく、残念ながら放鳥を見守ることができませんでしたが、今頃どうしているのでしょうか? ちゃんとご飯はゲットできているのだろうか? と、親のような心配をしています。 のんきにホーホー鳴いていてくれるといいのですが。
ふくちゃん1号は、結局自力で立つ事ができず、残念ながら衰弱死してしまいました。 1ヶ月以上世話をしていて、すっかり飼い鳥の様になっていただけに、本当に残念です。
新たに、フクロウが保護されて来ました。 取り合えず2号と命名しましたが、フクロウが2羽もいると、散らかって大変です。 2号はまだ若いようで、巣立ってから間もないのかもしれません。 翼が折れているように見えましたが、骨折もなく、傷が癒えれば自然に戻っていけそうです。 食欲もあり、自分の腕におとなしく止まってくれます。 可愛いです。
問題はふくちゃん1号です。 保護されてから約1ヶ月、元気で、食欲もありますが、まだ自分で立つことが出来ないでいます。 動く度に羽をばたばたするので、小さな擦り傷が絶えません。 綺麗な羽根もかなり擦り切れてしまいました。 少しずつ、身体を支えていられるようになってきたように感じますが、まだしばらく掛かりそうです。 ふくちゃんが来てから、完全なオフの日がなくなってしまいましたが、乗りかかった船ってやつですね。 まぁ、可愛いので仕方ないかな。
「安楽死」を巡っては、人の医療現場においても是非の分かれるところで、殺人事件として取り上げられる事もしばしばです。 実際のところ、末期がんなどの終末期医療においては、止むを得ないケースもあるな、と思います。 動物医療においても、終末期医療についての論文を目にすることも増えてきました。 実際に当院でも、安楽死の依頼は決して珍しい事ではありません。 飼い主さんの勝手な都合が理由である場合は、論外としてお断りしますが、素直に止むを得ないと思われるケースについては、お引き受けしています。 但し、基本的に自分から提案する事はありません。 なぜなら、どんなケースでも、飼い主さんは必ず傷つき、後悔が残るはずですから、それをこちらから誘導するような事があってはならない、と思っているからです。
当院では、次の4項目を判断の基準と考えています。
①患者(畜)に耐え難い肉体的苦痛がある。
②回復の見込みがない。あるいは、死が不可避で死期が迫っている。
③苦痛を除去、緩和する方法が他にない。
④ご家族の一致した意思として、生命の短縮を承諾している。
当院の休診時間は、平日の午後1時から4時の間になります。 この間にも、電話や実際に来院される方がいらっしゃいます。 急患や、初診などの場合が殆どですが、時々「お昼休みに、申し訳ありませんが・・・」と前置きで電話をいただく事があります。 休診時間は、休憩時間ではなくて、外来診察をお休みさせていただく時間として設定しています。 実際のところ、この時間帯の殆どは手術をしていますし、その他入院患畜の処置、往診、会議、消耗品の買出し、銀行・郵便局等々、診察時間にはできない仕事をしています。 特に手術時は、一人が執刀、一人が麻酔管理をしていまして、電話に出られないこともしばしばです。 なにせ二人でやっている小病院なものですから、ご不便をお掛けしているかと思いますが、ご容赦ください。
窓ガラスに激突し、病院で療養中のふくろうは、食欲もあって、すごく元気なのですが、まだ脚力が戻りません。 完全な麻痺ではないので、気長にリハビリを続けようと思います。
昨日も、翼を骨折した恐らくヒバリ(野鳥の種類にはあまり自信はありませんが・・・)を保護した親子が来院しました。 「元気ではありますが、翼の開放骨折のため、野生に戻るのは難しいと思います。」とお話しすると、小学校3,4年生位の息子さんが「自分がちゃんと面倒を見る。」とキットした表情で返事をしてくれました。 翼をテーピングで固定し、お薬を渡しました。 また、飛べるようになるといいですね。
頑張ってください。
「うちの仔、ドッグフードを食べないんですよ」「うちの仔、好き嫌いが激しくて困ってるんです」「同じフードだと、3日もすると飽きちゃって食べなくなるんです」等々、診察室でよくある相談です。 「うちの仔、ジャーキーしか食べないんですよ」なんて極端な例もあります。 飼い主さんは「困った、困った」と仰っている割にはニコニコとしていて、困っているようにはあまり見えません。 問題なのはワンちゃん達ではなく、飼い主さん自身であることに気づいていないようです。 自分の子供を、スナック菓子などのおやつだけで育てる親がいるでしょうか? もっとも、最近は生活習慣病いわゆる成人病の小学生がいるとか。 笑える話ではありませんね。
大体にして、犬の味覚はあまり発達していません。 身体を舐めたり、口で物を運んだりと、他の機能の邪魔をしないように、味覚が発達しなかったとの説もあります。 「うちの仔、好き嫌いがひどくて・・・」と言う方は「私は、この仔をちゃんと躾できませんでした」と言ってるのと同じなのです。
猫に襲われて怪我をした?犬の話です。 そのワンちゃんは10kg位の中型犬ですが、お散歩の途中で道端にシャーシャー毛を逆立てているネコちゃんがいたので、特に相手もせず通り過ぎたのだそうですが。 通り過ぎ、背中を向けた途端、襲い掛かってきたとの事。 飼い主さんも、「びっくりして、追い払おうとししたら、自分が転んでしまって・・・」と怒り心頭でした。
ネコちゃんにいったい何があったのでしょうか? 「首輪に鈴を付けていた。」との事ですから、飼い猫には間違いないのでしょう。 道端に、飼い猫が、命を賭けて守るほどのものがあるとも思えませんし。 どこかのワンちゃんに、よっぽど痛い目を見せられたのでしょうか? それとも、単に攻撃的なだけなのでしょうか? 怪我を負ったワンちゃん、転んでしまった飼い主さんには申し訳ないのですが、そちらの方に興味が行ってしまいます。
ここ2,3日、病院はちょっとした出産ラッシュでした。 次々に「陣痛が始まっているんだけど、なかなか産まれない。」と言った内容の電話が入って。 結局、1件は助産が必要で、1件は帝王切開になりました。 帝王切開の手術中にも、他の方から「片肢が出た後、しばらく待っても産まれない。」との電話が入り・・・無事生まれた仔犬達は本当に可愛いんですけど、さすがに疲れました。
馬の仕事をしていた時も、1000頭ほどの出産に立ち会ってきましたが、一瞬の判断が生死を分ける産科の仕事は責任が重い分、やり終えた後の充実感は大きいものでした。 ただ、その反面、助けてあげられなかった仔や、出産で命を落とす母馬も何頭か見てきました。 赤ちゃんを得た喜びは、何物にも変えがたいものなのかは分かります。 でも、「犬は安産だと聞いたから。」「犬は赤ちゃんを産ませたほうが長生きすると聞いたから。」と言った、何の根拠も無い理由から、予備知識もなく、準備もせず仔犬を産ませようとしている飼い主さんに時々出会います。 直接命にかかわる事ですから、あまり簡単に考えないで欲しいです。
昨日から、車に轢かれた猫が入院しています。 頭を強く打ったようで、頚椎に小さな損傷もあり、神経症状が出ています。 今朝になって大分落ち着いてきたように見えますが、まだ起き上がる事も出来ない状態です。
連れて来られた方は、轢いた本人ではなくて、通りがかりに見かねて保護して下さった、心優しい方です。 「自分で飼うことは出来ないけど・・・」「治療費もあまり高額だと・・・」と条件付ですが、それでも轢いておいて放ったらかしにしたドライバーとの差は一体何なのでしょうか。
まずは、この猫の1日も早い回復を、そして本来の飼い主さんが見つかることを祈るばかりです。
米国のダイアモンドペットフード社(以後ダイヤモンド社)のドックフード、キャットフードが原因となり、アフラトキシン中毒が発生しています。 米国ではメーカーが発表しただけでも、30件以上の死亡症例が確認されています。 ダイヤモンド社につきましては、日本ではさほど馴染みのあるメーカーではありませんが、インターネット通販や、個人輸入をされている方も増えてきている昨今、ご確認をお勧めします。
リコールが公示されている具体的なフード銘柄については、ダイヤモンド社のホームページから確認する事が出来ます。 http://diamondpetrecall.net/faq.html
アフラトキシン中毒は、Aspergillus属 や Penicillium属等のカビが産生するアフラトキシンという毒素を摂取することによって起こります。 フードを長時間、高温多湿な環境下に放置したり、原料となるトウモロコシなどの穀物が既に汚染されていた場合などに発生する事があります。 アフラトキシンは肝臓に対する毒性が強く、黄疸、食欲不振、体重減少、腹水貯留、出血、突然死などを引き起こします。 発症が見られた場合、残念ながら確実な治療法はありません。 まずは、現在使っているフードをご確認ください。