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2007年06月のアーカイブ
VTさんといえば、思い出すのは、アメリカに留学(本当はそんな立派なものじゃないんですが・・・)していた頃にお世話になったフィオナ。 まさに、プロフェッショナル。 自分が居候のように入り浸っていた、ケンタッキー、レキシントンにある、老舗の大きな馬の診療所「Hagyard-Davidson-McGee」の外科でVTをしていた女性。 お世話になったのは、もう10年以上前になりますが、今でも現役でバリバリやっているようです。 その仕事量たるや、とにかく半端ではない。 しかも質が高い。
当時、外科には3人の執刀医がいて、日替わりで手術を担当していました。 手術の大小はありますが、1日に20件近くもの手術をこなします。 外科医の先生は個性的で、神経質、細かな所にこだわる人が多く、実際、その診療所の3人の先生も、手順、術式、器具、立ち位置等、バラバラでした。 フィオナは、それぞれの先生に合わせて、木目細かい対応をしていました。 手術が遅くなり、夜中に手術室の掃除を手伝っていると、「これは私の仕事だから、あなたはもう帰りなさい。」と声をかけてくれました。 自分が一番働いてるのにね。 とにかくすごいVTさんでした。
動物看護師あるいは動物看護士。 VT(Veterinary Technician)あるいはAHT(Animal Health Technician)とも呼ばれます。 ヒト医療での看護師さんとは異なり、国家認定資格ではないので、現在の資格は、あくまで特定の団体が独自に認定したものにすぎません。 従って、その立場は不安定で、充分に保証されてい無いのが現状です。 自分は、VTさん達は単なる獣医師の助手ではないと思っています。 動物病院の中で獣医師とVTさんは両輪として、並行して進んでいく立場だと思います。 自分が開業前にお世話になった、”王禅寺ペットクリニック”は、まさにそんな感じでした。 VTさん達の技術、モチベーション、努力・・・自分は、VTさん達に育ててもらったと感じています。
猫は外に自由に出してあげるのがいいのか、それとも外に出さない方がいいのか。 猫を飼い始めた方からよく受けする御相談です。 それまで外で自由にしていた猫を、突然室内飼いにすれば、やはりストレスは感じるだろうと思います。 また、発情期にはストレスを感じるでしょう。 でも、仔猫の頃から家の中で育った猫にとっては、家は安住の地となり、屋外の方がストレスになるかもしれません。 また、避妊、去勢手術をすることで、性的なストレスから開放してあげることができます。
最近眼にした調査によると、猫の死亡原因の第1位は「感染症」で、第2位は「事故」、第3位は「泌尿器疾患」でした。 「感染症」「事故」は室内飼いであれば、殆ど防ぐ事ができます。 また、「泌尿器疾患」についても、オシッコの状態がよく分かるので、室内飼いの方が早く病気を見つけることが出来ます。 いざ治療となっても、泌尿器疾患に欠かせない、食事療法が確実に出来る室内飼いの方が回復が早く、再発も減らす事ができます。 そう考えると、猫を室内飼いにすることで、死亡原因を30~40%も減らせる事になります。
例えば「急性腎不全」。 再発を含め、完治する可能性は低い。 でも、早急に集中的な治療を始めないと、助からない。 治療がうまく行ったとしても、腎臓が機能を回復するまでには数週間かかる。 長期間に亘る、入院治療。 治療費もかなり高額になる。
このような場合、飼い主の方と充分に話し合うのは当然ですが、自分としてどのようなスタンスに立つか、いつも悩みます。 「これは殆ど治りません。」と突き放してしまえば、飼い主さんは治療する意欲を失って、助かるものまで死なせてしまうかもしれないですし。 「必ず良くなるから、頑張りましょう。」では、飼い主さんに過度な期待を抱かせ、精神的、金銭的にかなりの負担をかけてしまうことになります。 何週間も治療したのに、結果的に亡くなってしまうと、飼い主さんの落胆、負担は、半端ではないし、自分自身も、疲労と虚脱感で数日間は使い物にならなります。
最近、「猫を拾った。」と来院される方が多い。 「健康診断をして欲しい。」「世話の仕方を教えて欲しい。」「ワクチンを打って欲しい。」「里親探しを手伝って欲しい。」いずれにしても、その仔猫たちは良い人に拾われたラッキーな猫である事は間違いない。 今はガリガリでノミだらけだったり、目ヤニや鼻水で顔がくしゃくしゃであったとしても、すぐに綺麗になる。 でも、その何倍もの仔猫が、人知れず短い一生を終えている。 無責任なヒトにもかなり責任がある。 先日、ある女性の飼い主さんから「猫だって避妊手術なんてしたら、○○○もできなくて、ストレスが溜まるんじゃないの?」と言われた。 さすがに、すぐには返す言葉が無かった。
アゴのスペースが狭い、小型犬の、特に犬歯に多い乳歯の遺残。 写真では向かって左側の尖って反っている方が乳歯。 多くは、生後7~8ヶ月で抜けてしまいますが、このように永久歯に押さえつけられて抜けないケースがあります。 教科書には「永久歯の萌出に問題が起こる前に、乳歯を抜歯しなさい。」と書いてありますが、1歳近くになって自然に抜ける子もいるし、実害がそれ程大きくない事もあって、自分は、乳歯の抜歯だけの為に麻酔をかける事に積極的ではありません。 ただ、この乳歯が残ると、咬み合せが悪くなりますし、食べかすが残り、歯垢、歯石が付き易くなり、歯周病を増悪させてしまいます。
残った乳歯を抜くタイミングとして、避妊、去勢の手術時と、歯垢、歯石の除去時をお勧めしています。 特に、避妊、去勢は5、6ヶ月で実施する事が一般的になりつつあり、評価、抜歯をするには良いタイミングだと思っています。
梅雨が近づいて来ています。 この季節になると、「ホット・スポット」とも呼ばれる表在性膿皮症が増えてきます。 大きさは様々ですが、突然皮膚が溶けたように円形にただれ、カサブタをつくります。 原因の多くは、ブドウ球菌や連鎖球菌ですが、これらは特別なものではなく、普段から皮膚の表面にいる菌です。 「何らかの理由で皮膚にできた傷」や「皮膚の衛生状態の悪化(シャンプーをしていない、あるいはシャンプーのし過ぎ)」などがきっかけとなり発症します。 また、アトピー性皮膚炎などの皮膚の基礎疾患があることも多いです。 まず、病院で診察を受け、薬用シャンプーで皮膚を清潔に保ち、外用剤あるいは内服薬で治療します。
ブドウ球菌、連鎖球菌はヒトでも、一般には”とびひ”と呼ばれている「伝染性膿痂疹」の原因菌となります。 痒いのでボリボリ掻くと、その引っ掻き傷によって火の粉が飛び散るように一気に広がっていくところからこの名前がついたと言われています。 通常は、10歳未満の小児に多い皮膚疾患なのですが、実はここ数年、自分自身が毎年”とびひ”に悩まされています。 始めの頃は、「虫刺されかな?」とボリボリしてしまい、ものすごい事になっていました。 それでも最近は、学習しまして、ひどくなる前に手を打つようになりました。 仕事柄なのか、それとも自分の免疫力が小児並みに落ちているのか・・・